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欧州で高評価の新型ビレイデバイス EDELRID(エーデルリッド)『PINCH / ピンチ』

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ


今回はクライミングギアです。

高品質なロープやデバイスの開発・製造で知られるドイツのクライミングブランド「EDELRID(エーデルリッド)」の新しいビレイデバイス『PINCH(ピンチ)』を紹介します。

本製品はヨーロッパ最大のスポーツ見本市として知られるISPOにおいて、革新的な新製品に贈られる『ISPOアワード2024』を受賞しています。

ISPOで高評価を受けたこのピンチ、一体どんなビレイデバイスなのでしょうか?

さっそく見ていきましょう。
 

ハーネスに直接取り付けるビレイデバイス

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ


ピンチの最大の特長、それはハーネスのビレイループにカラビナ無しで直接取り付けるという斬新なセットアップ方式にあります。
これによって体に近く、操作しやすい位置でのビレイ動作が可能となっています。
また直接取り付ける事でビレイデバイスの向きとポジションを保ちやすいため、ロープの繰り出しやブレーキロープの制御もし易くなります。
カラビナを使用しないという事は、ビレイの際にありがちなカラビナの回転がそもそも発生しなくなりますので、安全面でも有利。
そして当然ですがカラビナ1枚分とは言えど、装備重量の軽量化にも繋がります。
ISPO審査員はこれらの点を高く評価したと言われています。

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ EDELRID(エーデルリッド) ピンチ

外観だけでは分かりにくいですが、右利き・左利きに関係なく操作しやすい形状で設計されているとの事です。

ちなみにこのピンチ、ハーネス直付けだけでなく類似のビレイデバイスと同様にカラビナで接続して使用する事もできます。
ですが、下記の画像をご覧ください。

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ
ご覧の通りカラビナ無しで直接ビレイループに取り付けている状態(写真左)の方が体により近く且つ低い位置で操作できるため、これによってカラビナでの接続時(写真右)よりもロープをより長く繰り出すことが可能になります。
 

ブレーキコントロールにも優れる

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ

“カラビナ無しでビレイループに直に取り付ける”という斬新さばかりに目がいきがちなピンチですが、安全面でも抜かりありません。
ロワーダウンや懸垂下降時に使用するレバーはアンチパニック機能が備わっている為、こういったデバイスに不慣れな方でも安心な設計になっています。

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ EDELRID(エーデルリッド) ピンチ

ちなみにアンチパニック機能は付属のネジの取り付けによって無効にすることも可能です。

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ EDELRID(エーデルリッド) ピンチ

とは言え各モードとも注意点も多い為、事前にマニュアルをしっかり読み込んで使うようにしましょう。 

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ EDELRID(エーデルリッド) ピンチ

ブレーキ溝は割とV字が効いていますので、細径ロープでもしっかりブレーキコントロールができそうです。

ハーネスへの取り付け方法

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ①ビレイループに直接

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ②カラビナ経由

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ③直接+カラビナでバックアップ

ピンチをハーネスに取り付ける方法は上記の3パターンです。
ビレイループに直接接続する場合、対応するビレイループの幅は10~18mmとなっていますのでご注意ください。
最大の特長である①の状態ではやはり不安という方のために②も考慮されています。
また③の状態はポジション的には①と同じですので、ピンチの操作感を味わいたい方はこちらもお試しください。

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ EDELRID(エーデルリッド) ピンチ

ちなみに本体の展開は上記のロックボタン(写真左)の操作で行います。これを操作しないとハーネスへの取り付けやロープのセットのための展開(写真右)ができません。
“カラビナ無しで本当に大丈夫!?”と思われているかもしれませんが、この機構によってハーネスとの接続を実現しています。


いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介したピンチは所謂「ブレーキアシスト機能付きビレイデバイス」に分類されるもので、他社ではPETZLのグリグリが特に有名ですよね。
ここでピーンときた方がいらっしゃると思います。
そう、PETZLはPETZLで今年「ネオックス」というこちらもまた革新的なブレーキアシスト機能付きビレイデバイスを新しくリリースし、市場で話題になっているところです。
ネオックスに負けずピンチもまたクライマーを熱狂させる存在になるのでしょうか、今後の動きに注目です。

以上、今回はエーデルリッドのピンチの紹介でした。


商品ページはこちらです。
↓↓↓

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ

▲エーデルリッド ピンチ

EDELRID(エーデルリッド) ピンチ
 

※ロープを繰り出したり墜落を止めたりする方法は、一般的なビレイ技術と同様です (末端側のロープから決して手を放さないでください)。よってまずは基本的なビレイ技術の習得が必要です。
※適合するロープ、カラビナ、ハーネスの種類や規格についても熟知しておく必要があります。

※使用する前に必ず取扱説明書の内容の全てについて、よく読み、理解し、遵守し、実施してください。(取扱説明書の内容を理解できない場合は原則使用禁止とされています)
※製品を正しく使用するための適切な指導を受け、また製品の機能とその限界について十分理解した上で使用してください。
※クライミングは重度の傷害や死につながる場合があります。使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいはそれらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用してください。
※クライミングギアは必ず危険が伴います。ユーザー各自で自身の行為、判断、および安全の確保についてその責任を負う必要があります。クライマーを重度の傷害や死の危険に晒さないための注意を怠らないでください。

2024-09-18 09:31:25

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injinji(インジンジ) ウルトラランナーコラボ限定モデル登場!

injinji(インジンジ) スペクトラム トレイル ミッドウェイト クルー コートニー・ドウォルター限定モデル


“injinjiと言えば5本指ソックス、5本指ソックスと言えばinjinji”

それくらいトレイルランナーやハイカーに定着しつつあるinjinji(インジンジ)から限定モデルの登場です。

今年4月に開催されたMt. FUJI 100(旧UTMF[ウルトラ・トレイル・マウント・フジ])にて見事女子優勝を果たしたウルトラランナー、コートニー・ドウォルター選手とのコラボモデルです。

injinji(インジンジ) スペクトラム トレイル ミッドウェイト クルー コートニー・ドウォルター限定モデル

カラーは2色。
レース当日にロックミュージックを聴くことが大好きなコートニーとのコラボだけあって、デザインもロックテイストあふれるカラフルな雰囲気に仕上がっています。

injinji(インジンジ) スペクトラム トレイル ミッドウェイト クルー コートニー・ドウォルター限定モデル injinji(インジンジ) スペクトラム トレイル ミッドウェイト クルー コートニー・ドウォルター限定モデル
 
injinji(インジンジ) スペクトラム トレイル ミッドウェイト クルー コートニー・ドウォルター限定モデル

好きな方を選ぶのもいいけど、両方購入して左右別々のコーディネートを楽しむのもアリ☆

 

ベースになっているインジンジのソックスタイプはウール混の「トレイル」。
厚みも「ミッドウェイト(中厚手)」なので、トレイルランニングやハイキングにもぴったり。

丈はコートニーの拘りポイントでしょうか、敢えての「クルー」仕様となっています。
最近ではトレランだけでなく、ハイクシーンでもハーフパンツ×ローカットシューズ×クルー丈ソックスのスタイルをよく見かけるので、コートニーはレースだけでなくトレンドでも最先端を走っているのかもしれませんね♪

injinji(インジンジ) スペクトラム トレイル ミッドウェイト クルー コートニー・ドウォルター限定モデル injinji(インジンジ) スペクトラム トレイル ミッドウェイト クルー コートニー・ドウォルター限定モデル


これから秋の彩に染まる日本の山に溶け込むデザインかと言われると若干微妙な気もしますが(笑)、とにかくインパクト大なので足元派手派手でいきたい方にはおすすめです。
むしろこれからシーズンに入るマラソン、ロードレースの舞台であれば観客の視線を集める事間違いなしのデザインですね!
注目をパワーに変える事で、コートニーのように激走できるかも!?

インジンジの5本指ソックスはファンが多く、例えばインジンジのおかげで本来抵抗のあった5本指ソックスの虜になったという方もいるくらい愛用者が多いソックスです。
またベースキャンプでも注力しているゼロシューズやアルトラ、ルナサンダルとも相性のいいソックスですので、まだ試したことが無いという方はぜひこの機会にご検討いかがでしょうか。

今回のモデルはメンズサイズ(ユニセックス)、ウィメンズサイズそれぞれ入荷しています。
数量限定ですので、どうぞお早めに。

商品ページはこちらです。
↓↓↓

injinji(インジンジ) ウィメンズ スペクトラム トレイル ミッドウェイト ミニクルー コートニー・ドウォルター限定モデル

▲ウィメンズ

injinji(インジンジ) スペクトラム トレイル ミッドウェイト ミニクルー コートニー・ドウォルター限定モデル

▲メンズ

2024-09-10 19:27:19

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残暑の時季でも油断禁物!脱水に気をつけよう

残暑の時季こそ要警戒!熱中症と脱水症状

9月に入ってからもまだまだ暑い日が続いています。
暦の上では既に秋ですが、今のところその気配はまだ遠いですね・・・。
気象庁の情報によれば今月も熱中症の警戒が必要との事ですので注意しましょう。

熱中症の要因の一つに脱水症状があると言われています。

引き続き服装や室温の工夫もですが、水分補給もまたポイントになりそうですね。

これはこの時期の野外活動でも同じです。

特に登山の場合、これから秋口にかけて朝夕は多少涼しくなり、場所によっては肌寒いくらいになっていくため、ぼちぼち衣替えやレイヤリングの変更を考え出す頃かと思います。
ただそれはあくまで一日の寒暖差に備えるためであって、日中活動する時間帯はまだまだ暑さが厳しいものです。
よってこの時期でも水分補給を怠ると脱水症状、更には熱中症に陥る危険がありますので十分気をつけましょう。

そこで今回、改めて水分補給のポイントを述べておきたいと思います。
紅葉鑑賞などで秋に登山デビューを控えている方もたくさんいらっしゃると思いますので、参考にして頂ければ幸いです。

① 水分補給を意識づける

登山の場合、球技などの激しいスポーツに比べると運動強度が高くないため水分補給の重要度を軽く考えられがちですが、身体を動かし多少でも発汗していれば確実に水分と塩分を失っています。

特に初心者の方で多く見られるのは、

  • 男性:体力に自信あってかストイックなのか変に水分を我慢する方

  • 女性:トイレの問題を気にして水分摂取を控える方

いずれも無自覚のうちに脱水症状に陥る可能性がありますので要注意です。

登山は標高や行程、季節や天候など実に様々なシチュエーションが想定されますが、それらに関係なく、とにかく山で行動する以上は水分は必ず失われるという認識が大事です。
よって喉が乾いたという自覚がなくても、脱水に備えて水分を補給する意識づけが重要です。
例えばおにぎりやおやつなど、行動食はむしろ最優先に考えますよね?
水分補給もこれと同様で、半ば義務的に捉えておけば常に危機意識を持てると思います。

残暑の時季こそ要警戒!熱中症と脱水症状

マイボトルはお持ちでしょうか?
登山に出掛ける度にペットボトル飲料を購入するのもいいですが、マイボトルであれば準備段階から水分補給の意識づけができるのでおすすめです。 活動毎に余った量、足りなかった量を把握しておくことで、必要な水分量の計画にも役立ちます。
特に保冷ボトルは暑い季節に重宝しますよ。

 

② こまめな補給を習慣づける

水分はこまめに補給する事がポイントです。そのためにはまず積極的に休憩をとりましょう。
① でも触れたような“体力自慢”は休憩そのものを省略する傾向にありますので、パーティーに1人でもこういう方がいる場合は流されないようにしましょう。
“疲れてなくても休む、乾いてなくても飲む”
休憩する事で身体はクールダウンしますので、直接的に熱中症の予防にもなります。
ボトルもすぐ取り出せる位置にパッキングするのを忘れないでください。

残暑の時季こそ要警戒!熱中症と脱水症状

ハイドレーションシステム。
ザックをおろさなくとも、そして何より歩きながらでもハンズフリーで水分補給ができる画期的なシステム。
特有の風味や手間等で未だ“使わず嫌い”の方も多いと思いますが、騙されたと思って一度試してみてください。

 


ちなみに
hydration/ハイドレーション」とは『積極的補水。必要な水分を意欲的に摂取すること』という意味の英単語です。
逆に、
dehydration/デハイドレーション」は『脱水、体内の水分量が不足した状態量が不足した状態』の事。
このようにギアの名称そのもの注意喚起になっているわけです。
 

③ 塩分も一緒に摂取する

発汗によって身体は水分と塩分を失います。 つまり水分補給には水だけでなく、塩分も必要という事です。
(発汗で体液を失う、水分補給で体液を補給する)
という事ですので登山での水分補給用飲料水が真水やミネラルウォーターというのは厳密には不十分です。
併せて塩飴を摂取したり、行動食も塩っ気のあるものを選ぶようにしましょう。
塩分不足は筋肉トラブルにも影響しますので、そもそもが登山では必要不可欠な栄養素です。

もちろん真水よりもスポーツドリンクや経口補水液ならベストですが、この時季は温くなるから美味しくない、元々苦手等の理由で敢えて敬遠する人も多いと思います。
そんな場合は下記の飲料を選ぶかもしれませんが、念のために注意しておいてください。

例えば麦茶です。何となくのイメージで一見運動時に向いてそうで、確かにミネラル豊富ではあるものの肝心の塩分は実はそれほど多く含まれていません。
次に緑茶やアイスコーヒー。こちらは逆にさっぱりしたり、目を覚ましたり、気分的にもリフレッシュするためには良いのですがカフェインの影響は頭に入れておく必要があります。いわゆる利尿作用が働き、かえって水分を失う事にもなりかねないので、ほどほどに止めておいた方がいいでしょう。
以上の事から登山の飲料水を準備するにあたっては行動用(水分補給)とティータイム用(嗜好品)は別々で考えるのが理想と言えます。

残暑の時季こそ要警戒!熱中症と脱水症状

塩熱サプリ。
電解質や栄養素を瞬時に体内に吸収し、水分の吸収を高めるサプリメント。 水と一緒に摂取するだけの手軽さが魅力。飴でなくタブレットなので、暑さで溶けないのも○。
スポーツドリンク系が苦手な方はこういった便利品の活用も検討してみてください。
夏の縦走登山やトレランレースでは必携!

 

いかがでしたでしょうか。

登山における熱中症や脱水症状は運動能力や判断能力などが著しく低下するだけでなく、甚大な事故に繋がる可能性もあります。
道迷い遭難、転滑落による怪我等と同様に決して甘く見てはいけませんので、引き続き注意喚起をし合っていきましょう。

今回は登山、運動という観点からの注意喚起でしたが、とにかく今は一歩外に出るだけで熱中症の危険がありますので日常生活から油断は禁物です。

また、参考までに下記の図もご覧ください。

残暑の時季こそ要警戒!熱中症と脱水症状

<国土交通省HP“「健康のため水を飲もう」推進運動”から引用>


このように健康維持のためにも普段から水分補給の大切さを理解しておく必要があると思います。
そもそも身体のコンディションが万全でなければ、心置きなくアウトドアで遊べませんからね!

登山に限らず、キャンプやカヤックなどアウトドア全般、スポーツ、農業やガーデニング、工事現場など作業、屋外活動全てで引き続き要警戒です。

頑張って猛暑・酷暑・残暑を乗り切り、秋を迎えましょう。

2024-09-10 16:31:13

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沢登りにお勧めのカラビナ2選

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選


今週は沢登りをやる方に向けてクライミングギアを取り上げたいと思います。
基本装備であるカラビナの話題です。

できるだけ装備を軽量且つ最小限にまとめたい沢登りでは、例えカラビナ1枚と言えど大きさや重量には拘りたいものです。
そこで今回ご紹介したいのがPETZL(ペツル)のロッキングカラビナ「ロシャ」「アタッシュ」です。
いずれも今年発売の新製品です。

例題はあくまで沢登りですが、アルパインクライミングやマルチピッチクライミングでも参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧頂ければと思います。

それでは見ていきましょう。
 

とにかく軽量!コンパクト!

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

▲ロシャ

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

▲アタッシュ

この「ロシャ」と「アタッシュ」、とにかくまず軽いというのが手にした時の印象です。
それというのも一般的にロッキングカラビナ(安全環付きカラビナ)は比較的大型でそれなりに重量があるものが多いため、先入観でずっしりしそうなところ、この両者は持った瞬間拍子抜けするくらいの軽さに驚愕します。

沢登りではこの類のカラビナを複数枚携行する必要がある為、例え1枚あたりの重量差は地味でも、トータルでみればかなりの差になってきます。
サイズもほどよく小ぶりなので、ハーネスのギアラックでも嵩張らずに済みます

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

写真はアタッシュ。ご覧の通り片手での取り回しにも優れるサイズ感。各作業がスピーディーにこなせそうです。
女性や手が小さくてカラビナ操作に苦戦している方は是非一度店頭で触って操作感を試してみてください。


続いて他社類似品との比較をしてみます。
下記のカラビナは筆者が沢登りでメインで使用しているブラックダイヤモンドのペアロックというカラビナ。
用途的にもサイズ的にも対抗になりうるスタッシュと比較してみると・・・

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

▲<左>スタッシュ <右>ペアロック

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

▲ペアロックの重量


ご覧の通りスタッシュの方がペアロックより20g以上も軽い!
これはレギュラー入替を検討したくなるレベルです。
繰り返しますがカラビナ1枚の差は大したことなくとも、装備一式で考えた場合はかなりの軽量化に繋がります。

ちなみにスタッシュのゲートの部分に見える赤いマーキングはロックし忘れ防止のためのインジケーター、いわゆる警告表示です。
今回紹介するアタッシュやロシャに限らず、ペツルの全てのスクリューロック式カラビナに標準搭載されている安全機構。
どれだけ気をつけていてもクライミングには事故がつきものですので、こういう細かい部分に気が利いている点も見逃せません。

実際の使い勝手は?

軽いのは嬉しいですが、カラビナとして重要なのはあくまで使い勝手です。
今度は実際のシチュエーションを想定してチェックしてみます。

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

▲ロシャ

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

▲アタッシュ

ビレイおよび懸垂下降時のセッティング。
いずれもビレイデバイスはペツルのルベルソ、ロープは沢登りでよく使われている8mmのダブルロープです。
ご覧の通り細径ロープであればロシャ、アタッシュ共に問題なく使用できます。
ロープの流れについてはブロードエンド(ロープが接触している部分)がロシャよりも広く且つ滑らかな形状をしているアタッシュの方がスムーズな印象です。

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

▲ロシャ

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

▲アタッシュ

同じくビレイおよび懸垂下降時のセッティングですが、今度はビレイデバイス無し、ムンターヒッチのバージョンです。
こちらについてはキャパシティが小さめのロシャについては敢えて1本にしています。
(2本でもいけなくはないですが、ロープがゲートに干渉する確率が高くなるので要注意です)
ここでもまた本体形状の差でアタッシュの方がロープの流れはスムーズに感じました。

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選 沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

最後にダイレクトビレイ状態です。
軽さ優先でロシャ2枚にしたいところですが、ロープの流れを考えるとやはりアタッシュを使いたくなると思います。
という訳でロシャとアタッシュ1枚ずつでのセッティング。
ルベルソも加えたこのシステム構成、デバイスの総重量は充分及第点に思います。

沢登りにお勧めの小型軽量カラビナ2選

ロシャはこのようにしてタイブロックやマイクロトラクション等の小型アッセンダーをコードで繋ぐことで、器具の落下や紛失を防ぐことができます。特に沢登りの場合、器具を水中に落としてしまったら見つけ出すのが困難ですのでこういった工夫が必要になります。
 


いかがだったでしょうか。

カラビナという、ある意味既に完成されているにもかかわらず更なる進化を続けるペツルのクライミングギアには毎回感服してしまいますね。
ペツルに限らずですが、ありとあらゆる種類のカラビナがそれぞれの用途で存在し、そしてそれぞれに個性を発揮しているのも興味深いですね。
ベースキャンプのクライミング用品コーナーにもたくさんの種類のカラビナが並んでいますので、時間がある時はぜひじっくりと見比べて頂ければと思います。
そして操作感を確認するのもお忘れなく!
もちろん、選び方が分からない時はご遠慮なくお気軽にお問い合わせください。

以上、今回は沢登りにお勧めのカラビナ2選、ペツルの新型カラビナ「ロシャ」と「アタッシュ」の紹介でした。


商品ページはこちらです。
↓↓↓

PETZL(ペツル) ロシャ

▲ロシャ

PETZL(ペツル) アタッシュ

▲アタッシュ

2024-09-01 16:56:03

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往年の名品が今甦る!EVERNEW(エバニュー)『B.C.stove』

B.C.stove_banner


今年2024年に創業100周年を迎えた我らがEVERNEW(エバニュー)!
本当におめでとうございます!

今回ご紹介するのはその100周年を記念して発売される限定品ですが、なんとなんと!
まさかのガソリンストーブ!
その名も『B.C.stove』。
(=Back Country stove)

これは且つて『Bordeauk Burner(ボルドーバーナー)』の名称で存在した、アウトドア業界では知る人ぞ知る往年の名作をベースにしたバーナーです。
ボルドーバーナーはその名の如くフランスの職人が一つ一つ手作りしていた事でも有名で、画像が載せられないのが恐縮ですが(調べたら出てきます!)、その美しく輝くボディはあたかも芸術作品のようで憧れていた人も多かったのを記憶しています。

そんな本家に対してエバニューがリリースした『B.C.stove』、外観こそ違えど本家同様職人さんが一品一品手作業で仕上げるという部分は共通、“魂”というクラフトマンシップは継承されているわけです!
(しかも日本製)

そんなこんなで『B.C.stove』は2024年限りの完全限定生産アイテム!
本家ボルドーバーナーも既にプレミア品になっていますが、この『B.C.stove』もやがて同じような憧れの存在になるのでしょうか!?

さっそくチェックしていきましょう。

基本情報

EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove


まずは「B.C.stove」が一体どういう製品なのか?を簡単にご説明いたします。
それというのもこの製品、本家のボルドーバーナーの存在を知らない方を完全に置いてけぼりにしているからです(笑)

「B.C.stove」の要点として、

  • ガソリンバーナーである(ホワイトガソリン使用)

  • ゴトクは無い(別途自身で用意しなければならない)

  • プレヒート[予熱する作業]が必要(燃焼の知識が問われる)

  • 火力調整、消化の仕組みが特有(固有の仕組みを理解する必要がある)

これらが挙げられます。
本家のボルドーバーナーもほぼ同じと思ってください。

EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove

EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove


以上のように一見するととても一般的とは思えず、どちらかと言えば玄人・熟達者向きのアイテムに感じられる事と思います。
かなりニッチなアイテムな印象ではないでしょうか。

そうなんです、且つてのボルドーバーナー自体もそのようなキャラクターだったため、今回の「B.C.stove」に価値を感じるという人は極僅かかと思われます(笑)
事実「B.C.stove」の発売が発表されても、反響は人によって様々でした。

公式HPの商品紹介にはこのように記載されています。
“シンプルな燃焼ギミックはまるで焚火のよう。ノスタルジーを感じてください。 構造がシンプルなので火をつけるまでは簡単。それからが腕のみせどころ。 ご機嫌な炎で燃える日もあれば怒りっぽい時もある。 なだめたり励ましたり、そんな面倒を楽しむストーブ。”
この通りエバニューも“刺さる人”に向けてピンポイントに企画と開発を行ったのが伺えます(笑)

という訳で改めてこの「B.C.stove」、どんな人におすすめかと言いますと、
 
  • 本家ボルドーバーナーが大好き!だからこっちもゲットしたい

  • 本家は買い逃した!だからこそゲットしたい

  • ガソリンストーブ大好き!古今東西のガソリンストーブを揃えたい

  • バーナーと名のつくものは片っ端からコレクションしたい

  • レトロでクラシックなアイテムに弱い

  • 人と違う、一風変わったギアに惹かれる

  • とにかくエバニューの大ファン!

こういった感じではないでしょうか!?

以上が「B.C.stove」の簡単な紹介、というか今回のムーヴメントの背景や経緯と言った方がいいかもしれませんね(笑)

使い方

続いて使い方です。
「B.C.stoveも本家も初めて知った」
「クセが強いストーブという事も理解している」
→『それでも単純にB.C.stoveに興味がある』
このような方もいらっしゃると思いますので、以下に使い方の動画を掲載しておきます(公式HPから引用)。
使いこなせそうかどうか、一度チェックしてみてください。
(ボルドーバーナーもほぼ同じような手順ですので、オークション等で狙っている方にも参考になる動画です)

 
 

随所に見られるエバニュー独自の拘り

本家が偉大過ぎるだけあって何かとvsボルドーバーナーで比較されてしまいそうですが、今回の主役はあくまで「B.C.stove」。
本家をリスペクトしつつ、エバニュー独自で拘ってあるポイントを見ていきましょう。

EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove

手仕事
全ての接続箇所は職人の手に依るロウ付けによるもの。
職人へのリスペクトの念、手仕事の証として、 敢えて見える形で残してあるそうです。

 
EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove

パイプ
ガソリンストーブの心臓部。しかもB.C.stoveはポンプを用いた加圧式ではないため、このパイプの成形と組立精度が肝になっています。

 
EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove

ニードル
こちらもガソリンストーブに詳しい方であれば周知のとおり、バーナーの性能を左右する部分。ネジニードルの締め込みによって炎をコントロールするので、ここでもまた精度が求められます。

 
EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove

燃料タンク
BC.stoveは加圧式で無い分、タンクの内圧コントロールが重要。その上でタンクの暴発も避けなければならないため、予め設定した高温になると溶ける専用Oリングを装備。密閉は保ちつつも過度なタンク内圧は逃すという高度な設計です。

 
EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove

シリアルナンバー
全ての製品は水没加圧テストと燃焼テストを行い、 合格した製品に「xxx/100」の番号が刻印されています。
なんとロウ付けの具合も一つ一つ違うのだとか。
まさしく 世界に一つだけのストーブです。
100周年だけに生産数も限定100台!


総じて感じられるのは“職人の仕事”、これに尽きます。
エバニューの方にも開発や製造の際には引き受けてくれる工房を探すのが何よりも大変だったという風に伺いましたので、その努力の結晶が製品の随所に職人魂として宿り、この「B.C.stove」の何とも言えない雰囲気を醸し出しているのだと思います。

気になる入荷数は?

本気で検討されていらっしゃる方、ここまでもったいぶってすいません(笑)
肝心なのはベースキャンプにはいくつ入荷しているのか、ですよね。
前置きが長くなってしまいましたが、今回のこのエバニュー「B.C.stove」。
限定生産数100台の内、当ベースキャンプには2台入荷しております!

それぞれのシリアルナンバーをご確認ください。

EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove▲ 040 / 100

EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove▲ 051 / 100

自分に縁のある数字だと運命を感じるかも!?

パッケージはこのようになっています。
EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove

EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove
付属品は燃料バルブ操作用のフック棒と、燃料タンクのネジ栓のOリングの予備のみと至ってシンプル。
収納ケースは付属しませんのでご注意ください。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

100周年のメモリアルアイテムが“エバニューと言えば”のアルコールバーナーでもなければ、超軽量のチタン製品でもないというのが何ともニクいところです(笑)

とは言え、そこをいい意味の期待で裏切ってくるあたりもまたエバニューらしいですね。

100周年に際して公式HP上でも“アウトドアで心がときめくものはなんだろう”と社長の御言葉もありますし、担当の方もいつも“エバニューはエンターテイメントを提供するブランド”と口にされていらっしゃいます。

今後も「B.C.stove」のようにアッと驚くアプローチでワクワクさせてくれたり、そして常に革新的な山ギアを作り続けてくれるエバニューに期待しましょう!


商品ページはこちらです。↓↓↓

■EVERNEW(エバニュー) EBY730 B.C.stove

2024-08-24 15:43:34

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非常食とアウトドアグッズ

非常食 × アウトドアグッズ を考えてみよう


去る8月8日、夏休みやお盆休み目前という状況の中の発生した「宮崎地震」、そこから発表された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」には震撼しました。
その後8月15日、巨大地震注意についての呼びかけは一旦終了しましたが、日頃からの備えについては今も尚注意喚起がされておりますので緊張が続いている状況ではないでしょうか。

今回は地震発生後に更なる巨大地震に備えた呼びかけがあるという初めての状況だったためか、当店でもいつも以上に非常食の引き合いがありました。
巨大地震注意の呼びかけについては当初から宮崎地震発生後約一週間の目途とされていましたが、、非常食の動きも完全にそちらと同調して呼びかけ開始直後から一気に需要が増えました。
呼びかけの性質もあってか、今回は特に企業や法人の方が組織的にお求めになられるよりも、個人の方が各々で備えられているのを多く感じた印象的です。

そこで今回、改めて当店で取り扱っている非常食のおさらいと、関連品として非常食調理の際に役立つアウトドアグッズをご紹介したいと思います。
アウトドア、特に登山を嗜む方にとっては全くもって新鮮味の無い内容かと思いますが、逆にそうでない方にとっては我々が日頃より何気なく使用しているお馴染みのアウトドアグッズも非常時に役立つ可能性を秘めているというのを感じて頂ければと思います。
 

尾西色品 アルファ米シリーズ

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尾西食品 尾西の携帯おにぎり 鮭

尾西食品 アルファ米 梅がゆ/p>

今更説明不要なくらい災害備蓄食としてもすっかり定番の非常食、それが「アルファ米です」。

アルファ米は一度炊飯されたごはんを急速乾燥したものです。
生米は消化しにくい「ベータ化」の状態、それを加熱調理し消化しやすい「アルファ化」の状態にしたのが食卓に並ぶごはんと言ったら分かりやすいでしょうか。

非常食 × アウトドアグッズ を考えてみよう

通常「アルファ化」状態の米をそのまま冷ますと「ベータ化」状態に戻ってしまい、食べるために再び加熱が必要になりますが、 急速かつ水分をコントロールしながら乾燥させることで「アルファ化」状態を保てます。
「アルファ化」状態の米に、水やお湯を加えると、まるで炊きたてのような食感とおいしさのごはんが戻ってくる、これが非常食として販売されているアルファ米の仕組みです。

登山やアウトドアを含めて、災害時や非常時にもアルファ米が重宝されるのはもちろん長期保存が可能だからというのもありますが、通常のお米を炊くよりも水の量も少なく(アウトドアでも災害時でも水は貴重!)、更に調理時間も短く済むためです。
例えば登山の場合水も含めての荷物、これを背負っての行動になりますから、特に連泊、もしくは大人数の食事を用意する必要がある場合においては生米とアルファ米とでは装備重量が雲泥の差になります。
これは災害時の避難生活にも関連しますが、在宅避難か避難所かでも大きな差になると思います(自家用車や交通機関は使用不能であれば特に)。
また尾西食品の製品はスプーンも付属しますし、調理後パッケージ自体が自立する設計です。
よって箸やスプーン、ごはん茶碗やお皿を別途用意する必要がありませんので、荷物を省略できるという点もポイントです。

ちなみに実際にアルファ米を食べた事は無いという方が案外多いというのもよく耳にします。
特にアウトドアに馴染みがない方にとっては“非常食”という括りの時点で日常的な縁も無く、且つ元来美味しいお米で育ってきた我々日本人にとっては炊き立てでないごはんに抵抗がある方も多いと思います。
(もちろん災害時にはそんな贅沢言えませんが)
例えばベースキャンプでも取り扱っている「尾西食品」のアルファ米であれば白米だけでなく味のバリエーションも豊富ですし、おにぎりやおかゆといった発展型もありますので、一度味見をされる機会を設けられてはいかがでしょうか。
いざいという時に備えて自分に合っている非常食かどうかを確かめておくという意味でも、一度味見をしておくのもアリだと思います。
最長5年の長期保存が可能とされる尾西食品のアルファ米ですが、食品である以上賞味期限があるのも事実。非常食は「ローリングストック*」も踏まえて計画する必要がありますから、無駄を出さないためにもちゃんと自分に合う非常食かを見極めておくのは結構大事と思います。

*備蓄(ストック)している食料を賞味期限が切れる前に定期的に消費し、その都度買い足して備える(ローリング)方法


さてそのアルファ米ですが、調理にはお湯か水が必要になります。
ここからはその調理の際に役立つアウトドアグッズを紹介していきます。
 

JETBOIL(ジェットボイル)

JETBOIL(ジェットボイル) フラッシュ

特殊な外観をしていますが、アウトドア用のバーナー、コンロになります。
馴染みのあるアウトドア用コンロとは少し違った印象と思いますが、このジェットボイルの最大の特長は0.5リットルの水を約1分40秒で沸騰させることが可能*という驚異的な湯沸かし性能です。

*ジェットボイル「フラッシュ」の場合
*周囲温度20℃、水温20℃、海抜64m、無風の条件化において(ジェットボイル社調べ)

上記で紹介した尾西食品のアルファ米の調理所要時間ですが、

  • 熱湯で15分

  • 水(15℃)の場合60分

となっています。ご覧の通り一応水でも調理可能ですが、時間もかかりますし、非常時と言えど心の安らぎのためにはやはり温かいご飯を食したいところ―。
その事前準備において、沸騰したお湯を速やかに準備できるジェットボイルの存在は圧倒的アドバンテージです。
アウトドアでの食事はカップラーメンなどのインスタント食品も定番ですが、その際でもお湯が速やかに調達できるのは大助かり。

アウトドア用コンロはたくさんあるのにわざわざジェットボイルを紹介する理由としては、ジェットボイルが火口だけでなく鍋の形状なども含めて熱効率を最大まで高めた一体型のシステムであるためです。
(高火力故沸かす時間が早いのではなく、高効率のおかげで無駄がないという仕組み)
JETBOIL(ジェットボイル) フラッシュ
JETBOIL(ジェットボイル) フラッシュ

また専用のガスカートリッジ(ガス缶)も本体用に最適化された配合のため、高燃費を実現。
一般的にこのタイプのガス缶(OD缶)は家庭用でよく見られるカセットボンベ(CB缶)に比べてハイパワーであり、特に寒い時季などOD缶の優位性が顕著です。

JETBOIL(ジェットボイル) ジップ


このような沸騰特化型のシステムがアウトドアユーザーにも支持されています。

通常アウトドアの調理完了と言えばコンロと鍋をそれぞれで買いそろえる必要がありますが、ジェットボイルであれば最初から一式でパッケージされているのも魅力。

*ガス缶は別売り

JETBOIL(ジェットボイル) フラッシュ
特にアウトドアに疎い方にとっては購入時にあれこれ迷う必要がなくなります。
収納時には鍋の大きさまでコンパクトにできるので、防災バッグの中でもスペースを取りません。

懸念点はやはり専用のガスカートリッジを必要とする事、しかもそれがいつでもどこでも手に入るものではないという事でしょう。
また非常時ならともかく、平常時にはまず使用用途がないという方にとっては明らかに余計な出費。
これらの点から日頃家庭で使用するカセットコンロとやかんで充分という意見に着地しがちではありますが、想像して頂きたいのが上記でも述べました通り避難所への移動だったり避難スペースも限られているといったように日常とは異なる状況・環境にも対応できるシステムか否か、という点です。
この点からもオールインワンのコンパクトシステムで携行性にも優れるジェットボイルは非常時にも有用性があるのではないでしょうか。
専用ガス缶の調達も事前の備えで対策可能と思います。

サーモス 山専用ボトル

THERMOS(サーモス) FFX-501 山専ステンレスボトル0.5L

THERMOS(サーモス) FFX-751 山専ステンレスボトル0.75L

THERMOS(サーモス) FFX-901 山専ステンレスボトル0.9L

こちらについては上記の湯沸かしの補助的に考えると興味深いと思われます。
というのもアルファ米1食あたり必要なお湯の量がだいたい110~160ml。
複数人分お湯を沸かすならともかく、ごく少量を沸かすためだけに毎回ガスを消費するのも気が引けるかもしれません。
そんな時は沸かす時は一回にまとめて、残りは保温ボトルに入れておく、という手も時には有効です。
別に100℃である必要もないという方もいるかもしれませんし、沸かし直すにしても水より早く済みます。

この場合ポイントになるのはボトルの保温性能ですが、こちらのサーモス 山専用ボトルであれば6時間後でも77℃をキープ(500mlモデルの場合)という圧倒的な性能を誇ります。
 

THERMOS(サーモス) FFX-901 山専ステンレスボトル0.9L

ダブルスクリューせん
圧倒的な保温/保冷性能の秘訣はこのダブルスクリュー栓。
二重且つそれぞれにパッキンを備えています。

 
THERMOS(サーモス) 山専ステンレスボトル

コップになる蓋
最近では直飲みタイプが多いですが、それだと熱々のものは飲めないですよね。
中栓には注ぎ口も設けられている為、アルファ米等にもお湯を注ぎ易いです。


“山専用”と謳われているだけあって、本体自体もかなり軽量に作られています。
ここでもまた実用性、携行性に優れるアウドドアグッズの長所が表れていると思います。
登山の場合はこの長所を最大限活用し、コンロや鍋は持参せずに、朝自宅で沸かしたお湯を山専用ボトルで持ち運び、山頂でのランチタイムにはそのお湯でカップラーメン等のインスタント食品を食べるという芸当も可能です。
(完全に熱々ではないけれど、それよりも手軽さと荷物の軽量化を優先するという発想)

テント泊の際なども就寝前に沸かしたお湯を山専用ボトルで保存しておけば夜中に寒くて眠れない時にすぐお湯が飲めたり、あるいは朝起きてすぐ温かいお茶やコーヒーが楽しめるといった活用法もあります。
これは不安で慣れない避難生活時にも役立ちそうではないでしょうか。

もちろん保温でなく保冷でも使えるボトルですので、一年中活躍する機会があるのも魅力と言えます。
所謂“まほうびん”ですが、ガラスでなくステンレス仕様なので割れたりする心配が不要なのも頼もしいです。

保温ポーチ

     BIG SKY INTERNATIONAL(ビッグスカイインターナショナル) INSULITE INSULITE POUCH Lage size

最後にご紹介するのは必ずしもアウトドア用である必要はありませんが、例えばこのような保温ポーチを活用する事で、

  • 調理時間中にアルファ米が冷めるのを軽減する

という手段が取れます。
水から戻すより早いと言っても15分かかりますから、寒い時季は刻一刻と冷えていきます。
アルファ米とはいえホカホカを楽しみたいという方は参考にしてみてください。

非常食 × アウトドアグッズ を考えてみよう

サイズによってはちょうど尾西食品のアルファ米にぴったりにものも。
調理中だけでなく食べる際にも保温機能を活かすことができます。
既にご存じだった方も多いかもしれませんが、これは改めて登山者にもおすすめしたいポイントです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

改めて書き並べてみると、制約の中でのやり繰りが必要になる登山用アイテムは非常食との親和性が非常に高いという事が分かりました。
今回は割愛していますが、泊り装備であるテントや寝袋も含めると、登山というのはまさしく衣食住すべてを背負っての活動であり例え一晩であっても野外で避難生活をしているのと同じと考えると、上記の結論も当然と言えるかもしれません。
既に各アイテムをお使いの方はぜひ防災バッグのレギュラーにも編成する事を検討頂ければと思います。

ちょうど来月9月1日には『防災の日』も控えておりますので、アウトドアの知識や経験が備えに繋がると有意義ですね。
災害は起こらないのが一番ではありますが、いざという時に備えて認識を深め、用品や装備だけでなく心の準備をしていきたいところです。


記事内で紹介しました各商品ページはこちらです。

~お詫び~
8月8日発生の「宮崎地震」、その後発表された『南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)』の影響で一時的に品薄が続いております。
商品を紹介しておきながら申し訳ありませんが、今後の参考にして頂けましたら幸甚です。


↓↓↓

 

2024-08-17 17:37:40

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ランナーもハイカーも注目のアップデート ALTRA(アルトラ) 『OLYMPUS 6 / オリンパス 6』

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

まだまだ暑い・・・というかますます暑さが増しているといった感すらある今日この頃ですが、アウトドア業界では既に2024年の秋冬シーズンが始まっているブランドもあります。

実店舗では現在、春夏アイテムの「クリアランスセール」の真っ最中ではあるものの、一部先行して秋冬の製品が入荷しているブランドもあります。
9月からは秋冬物の入荷も本格化してまいりますので、残暑厳しい中ではありますが店内の品揃えが徐々に変わっていくところを楽しみにしておいていただければと思います。

さて、今回はそんな先行入荷品の中からALTRA(アルトラ)の『OLYMPUS 6』をご紹介します。

こちら8/9に発売されたばかりの新製品になりますので、どうぞ最後までご覧ください。
 

ALTRA OLYMPUSシリーズのおさらい

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ
ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

アルトラのオリンパスは100kmを超えるロングトレイルランニングや重い荷物を背負った登山などのシーンで多くの方に愛用されています。

アルトラと言えば「ローンピーク」に代表されるような、過度にサポートの無いナチュラル系のシューズが多いと思われがちですが、実はオリンパスのように特定の用途に特化したモデルもラインナップされています。
例えば「ローンピーク」を所謂“ベアフット”系シューズのテンプレとするならば、オリンパスは更に安定感を加えたモデルになっています。

特長は、33mmにもなるスタックハイト(地面から足裏までの高さ/距離)を持つ厚底仕様であることです。
この「MAXクッション」によって地面からの衝撃を効果的に緩和しますので、長距離・長時間にわたる脚部疲労も軽減する事で安定を保つ狙いです。
一見これだけ厚底だとかえってグラついて安定感に欠けそうな気もしますが、内側に「ガイドレール」と呼ばれる、大きく内側に倒れ込みそうになった時に支えてくれる機能を備えています。
また正面から見ると靴底が地面に向かって扇形に広がっており、接地面積を広く確保できるようになっています。
さらにその靴底自体も今や多くの登山靴で採用されている「Vibram Megagripソール」を採用、優れたグリップ力もまた安定感の向上に繋がっています。

この性能のおかげでトレイルランナーに限らず、ハイカーにも支持されているのがオリンパスです。
近年トレンドになりつつある“脱ハイキングシューズ”ムーヴメントにおいても、オリンパスは“初めてのローカット”シューズによくチョイスされている印象です。

何よりアルトラ特有の広いトゥボックス「フットシェイプデザイン」もハイカーに好評のようです。
足が浮腫んできても快適さを損なわないため、下山時にはとくかくまず靴を脱ぎたい!といったように、これまで我慢して登山靴を履いていた方々にとってアルトラの履き心地は病みつきになるというお話もよく聞きます。
登山のハウツーでよく“下り坂はベタ足で”といったアドバイスを聞かれると思いますが、ここでもアルトラの「ゼロドロップ形状」が安定に貢献。足裏全体で接地しやすく、足本来の衝撃吸収能力を最大限に発揮できます。
高低差がある段差は強い衝撃を受けそうですが、そこもまたオリンパスのMAXクッションがカバーしてくれるといった具合です。

ここまで多くのユーザーに支持されるきっかけになったのがオリンパス4、
そこを盤石のものにしたのがオリンパス5というのがこれまでの経緯です。

という訳で続いては既にオリンパスユーザーの方が最も注目されているであろう、オリンパス5からのアップデートポイントを見ていきましょう。
 

オリンパス5→オリンパス6におけるアップデート

■ロゴ、外観

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 6

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 5

まず見た目にはっきりと異なるのがロゴです。
5から一転、アルファベットロゴのみ(「モンブラン」と同じパターン)に変更になりました。
この違いだけでも第一印象が全然違ってきますね。
ずいぶん思い切ったなぁとも感じましたが、オリンパス4やオリンパス5はユーザーが多いだけに、ある意味で差別化になっています。
4や5から買い替える方にとっても新鮮味があって良いのではないでしょうか。
とは言え好みが分かれそうな気もしますが・・・皆さんはどちらがお好みでしょうか?
 

■重量

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 6

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 5

いずれもメンズのUS8.0(26.0cm)ですが、実測してみてびっくりの結果に―。
というのも公式サイトによれば同サイズならオリンパス6の方が僅かに軽量化されているとのふれこみだったのですが・・・。
もちろんトレッキングシューズ等に対してであれば圧倒的に軽量ですが、重量にシビアなトレイルランナーは気にしそうです。
とは言え大事なのは履いた時にどう感じるかですので、これはぜひ店頭で試し履きをされた感想を聞いてみたいですね。
 

■アッパー

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 6

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 5

全域に渡ってメッシュ部分が配置された事で、通気性が向上、より速い乾燥が期待できます。
最近の猛暑の中での活動にとっては助かりますね。
 

■シュータン、シューレース

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 6

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 5

シュータンはより厚みのあるものに変更になりました。
また角も丸くなったことで足首側への当たりもソフトになっています。

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 6

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 5

シューレースも幅の広いものに変更。
シュータン&シューレースの変更のおかげで長時間の着用でも紐の食い込みが気にならないようになっています。
シューレース自体もほどけにくそうな仕様です。
ランナーズノット用のホールも引き続き備わっています。
 

■つま先部分

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 6

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 5

カタログによると“トゥガードを固すぎず柔らかすぎない素材に変更”と独特の言い回しがされていますが、これは下り坂などでつま先がシューズの先端に当たっても痛くならないようにするための工夫との事です。
悪路の比率が高い人にとっては有難い仕様変更ではないでしょうか。
 

■かかと部分
ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 6

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 5

外観では判別しにくいですが、6ではかかと部分内部に「プレミアムアキレスピロー」が追加になっています。
これはおそらくアルトラシューズ全体で見ても初めての機構かと思います。
これによってフィット感と踏み込む感覚の向上を狙っているそうです。
5もかかと内部は立体的な構造をしていましたが、この差は履き心地にはどのように影響するのでしょうか。
先述したアッパー、シュータン、そしてかかとの変更とフィット感に影響する全ての要素が変更になっていますので、今の5の履き心地が気に入っている方は必ず履き比べてみてから6の良し悪しを判断された方が無難かと思われます。
 

■アウトソール
ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 6

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 5

アウトソールは引き続き「Vibram Megagripソール」ですが、ラグパターンが変更、トラクションと安定性をさらに高めてあります。
ラグの高さ自体はほぼ同じですが、6はラグの先端にも段差が設けてあったり(ラグの上にまたラグがある)、手で触ってみるとラグそれぞれもよりエッジが立っているように感じます。
オリンパスは厚底故ただのクッションシューズに思われがちですが、実はこのラグパターンのおかげで登りも強い靴として定評があります。
最近では厚底シューズは決して珍しくありませんが、オリンパスが単に底が厚いだけの靴だけではない推しポイントが登りでの優れたトラクション性能。
それを生み出すラグが更に進化しているのは頼もしいところです。

オリンパス5は稀にこういったソール剥がれが起こっていましたが、6ではこの部分は中央部分と一体になっていますので、改善されていると期待したいところです。

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ
 
 

■GAITER TRAP

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 6

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ▲オリンパス 5

ティートンブロスのパワーゲイターが装着できる「GAITER TRAP(ゲイタートラップ)」は継続、これは嬉しいポイントですね。
既にパワーゲイターをお持ちの方は引き続き使えますので、ホッとされたのではないでしょうか。
しかも6はアッパー部分にロゴを一切載せないのかと思ったら、ゲイタートラップ上にさりげなく載せてるというニクさ。


全体の所感としては5で良かった点はしっかりと継承しつつ、アップデートの余地があった部分はしっかりと対応してきたという印象ですね。
足入れ感は人によって異なると思いますが、機能面においてはより完成度が高まったと評価していいと思います。


以上を踏まえて、次は実際にフィールドで試してみての感想をお届けします。
 

ファーストインプレッション

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

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極短時間・短距離ではありますが、近場のフィールドでさっそくオリンパス6を試してきましたので、簡単にレポートしてみたいと思います。
(あくまで個人の所感なので参考程度にお願いします)

  • フィット感

    • シュータンとシューレースの変更によって甲周りを包み込んでくれるようなフィット感に向上。

    • アッパーメッシュの変更もフィット感向上に繋がっているように感じる。

    • 「プレミアムアキレスピロー」を活かすためにはヒールをしっかり収めて、シューレースもしっかり結んだ方が良い。

    • トゥガードの変更によるフィット感への影響は特に気にならなかった。
       

  • 機能面

    • アッパーメッシュの通気性はソックスの素材次第で更に恩恵を感じれそう。

    • 5よりシューレースが解けにくい。且つ、甲への食い込みも感じにくい。

    • アウトソールは相変わらず流石のグリップ力。やはり登りのトルクというか路面を掻き込む力は他のトレイルシューズと比べても上位と思う。急斜面の下りも安心感大。

    • 「プレミアムアキレスピロー」は細かい砂利などの侵入も防いでくれるという副次効果を発見。
       

下記はファーストインプレッションに関係ありませんが、個人的に「今日オリンパスで良かった~」と最も感じれるのはこういった路面↓。

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

特に超距離レースの場合、硬い路面や突き上げが多い路面の長~い下りセクションはとにかく足に堪えます。
終盤にかけて蓄積していく脚の疲労にも影響してくると思いますので、オリンパスの「MAXクッション」による衝撃緩和と「ガイドレール」による安定感は本当に助かっています。
ロングレースでスタミナよりも先に脚が終わってしまうという方は一度試して頂きたいです。
 

スペック比較

最後にアルトラの他モデルとのスペック比較をして終わりたいと思います。
アルトラと言えばブランドの代名詞的存在の「LONE PEAK(ローンピーク)」なら聞いた事があるという方も多いと思います。
ブランドの主力モデルだけあって現行ver.8まで進化しており、もちろん実績もユーザーからの評価もNo.1です。
ここ数年はこのローンピークと今回紹介しているオリンパスとで人気を二分する構図でしたが、
そこにこの春、ver.5にアップデートした「TIMP(ティンプ)」も加わり、このところ好調。
TIMP 5を紹介した記事はこちら
ということで「ローンピーク」「ティンプ」「オリンパス」、この現“三強”についての比較が知りたいという方が多いと思われますので、下記のような図を作ってみました。
ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ
スペックの比較はこのようになりますが、特に初めてアルトラを検討されるという方のためにご要望別のおすすめポイントを簡単に要約しますと、

  • ローンピーク:基本の1足。アルトラの提唱する裸足感覚を味わってみたい方はまずこちらから。

  • ティンプ:軽さも含めたトータルバランスを求める方。アルトラ特有の足型に抵抗がある方にもオススメ。

  • オリンパス:トレイルランニングでもハイキングでも安定感と耐久性を重視したい方。

と言った具合で選び分けて頂ければと思います。



ちなみにここまでお読みいただいて、「あれ、なんか情報が足りないような・・・」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そうです、オリンパス5みたいに防水モデルの存在が気になるところですよね。

ご安心ください、このオリンパス6にもハイキングシリーズ『OLYMPUS HIKE GTX』がラインナップされております。
ただこちらはについてはまだ未発売で今回ご紹介することが出来ませんでしたので、入荷しましたら改めて紹介をしたいと思います。
どうぞお楽しみに!


以上、今回はアルトラのオリンパス6の紹介でした。

秋のトレイルランニングレース用や紅葉登山用等で新しい一足を探しているという方は是非ご検討ください。


商品ページはこちらです。
↓↓↓

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Men / オリンパス 6 メンズ

▲オリンパス 6 メンズ

ALTRA(アルトラ) OLYMPUS 6 Women / オリンパス 6 ウィメンズ

▲オリンパス 6 ウィメンズ

2024-08-08 22:25:28

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画期的レインパンツ THE NORTH FACE『フューチャーライトパラボラパンツ』

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabora Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス)

今回はレインパンツのご紹介、
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)『フューチャーライト パラボラ パンツ』です。
こちらはトレイルランニング用のレインパンツではありますが、とても画期的な機能を備えているので、ぜひハイカーの方も最後までお読み頂ければと思います。

基本的なスペック

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabora Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス) THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabora Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス)

『フューチャーライト パラボラ パンツ』はトレイルランニング用に設計された、軽量コンパクト性と運動性を追求し、且つ高いプロテクション性も備えた“全天候型”アウターシェルパンツです。

名前に冠している「フューチャーライト(FUTURELIGHT)」はザ・ノース・フェイス独自開発の防水透湿素材の名称。
フューチャーライトは各防水透湿素材の中でも比較的通気性を重視した素材であるため、雨風を防ぎながらもウエア内に籠る蒸れは換気したいというトレイルランニングに代表されるような高出力アクティビティにも適した仕様と言えます。

デザインも足さばきをスムーズにできるよう細身のシルエットを採用。

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabora Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス) THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabola Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス) THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabola Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス)

またこのパンツは岩稜帯などでも積極的に着用できるよう、強度が必要な臀部や股下には、高い耐摩耗性を備えた高強度ポリエチレン糸を使用したリップストップ素材が配置されています。

気になる重量はレインウェアとしての性能に強度を付加しながらも、Lサイズで約140gという軽さを実現。
これはトレイルランニングだけでなく、軽量化を重視したい縦走登山やロングトレイルハイクでも見逃せないスペック。

このように山遊び全般で活躍が期待できそうなレインパンツに仕上がっています。

特徴

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabora Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス) THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabora Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス)

冒頭の画像で既にお気づきの方も多いと思われますが、この『フューチャーライト パラボラ パンツ』の最大の特徴はフルレングスのサイドジッパーによってシューズを脱ぐことなく着脱できる点です。
行動中に突然の雨、あるいは降ったり止んだりの空模様。
にもかかわらず木陰だったり腰掛ける場所がないおかげでレインパンツの脱ぎ履きにも四苦八苦・・・そんなストレスから解放してくれます。

ちなみにこのサイドフルオープン式、雪山用のオーバーパンツ(ハードシェル)やダウンパンツなどでよく見かけるという方も多いと思われますが、実はレインパンツで採用しているメーカーも最近ではちょくちょく見かけるようになりました。
その中にあってもこの『フューチャーライト パラボラ パンツ』が差別化されていると感じる点、それは内側にセットされたループです。
着用時はまずこのループでウエスト部分に留めることにより、立位の状態でもパンツを“仮装着”して地面に落とさずに済みます。
そのためパンツ自体、特に内側を汚すリスクが軽減されるという訳です。
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabora Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス)
しかもこのループによる副産物とも言える機能が、脱いだ状態でウエスト部分に固定し、簡易的に収納&携行ができる事です。
後に高確率でレインパンツが必要になる時、もしくは履こうかどうか判断に悩む時などに役立ちそうな機能です。
(ループ自体は華奢なゴムなので過信は禁物です)

こんな人にオススメ

最後はこの『フューチャーライト パラボラ パンツ』をどんな方に提案したいかで締めくくりたいと思います。
ザ・ノース・フェイスのトレイルランニングカテゴリー『SUMMIT RUN』に属する製品ですから、まずは何といってもトレイルランナー。
でもってレース志向の方。

特にロングレースの場合、上下レインウェアが必携品になる事がほとんどです。
レース用のレインウェア選びで多くの方が意識されるのは主に以下の2点になるのではないでしょうか―。

  1. 軽量コンパクトである事
    5~10Lのトレランパックに収めて携行となると、重量も収納サイズも重要になります。
    またレイン(上)に比べて、レイン(下)は履かないままレースが終わる事も珍しくないため、特にレインパンツはレギュレーションをクリアするためだけの装備になりがちでもあります。
    それであれば限られたパックの容量は補給食や飲料、他の必携品のために確保したいという心理も働くため、やはりレインウェア、特にパンツは基本的に軽くコンパクトであればあるほど理想と言うのが大半のトレイルランナーの意見に感じます。

  2. 着用のし易さ
    必携品となるのは時に命を守る道具にもなるためなので、必要に迫られたらどんな状況でも着用します。
    問題は着た方がいいのか、着なくてもやり過ごせるのか、こういう状況が一番悩ましいのではないでしょうか。
    パックから出すのが面倒、立ち止まって着る時間がもったいない、ましてや靴を脱いでまでなんて・・・結局はこのように“履くのが面倒”の気持ちに負けることも多いかと思います。
    但しこういった判断は時として命取りになるリスクでもあり、濡れ⇒冷えに繋がる場合は体温を挙げるために余計なエネルギーを消耗する羽目になります。これはレースの種類や形態にもよりますが、標高が高いセクションが多い、肌寒い時期や陽が落ちている時間帯がある等、気温が低く濡れることで体が冷えるリスクが高まるシチュエーションが考えられるレースにおいてはレインウェアの着用は戦略的に考えなければなりません。
    その点からも着用がしやすいレインウェアは躊躇わず積極的に使う事ができる、まさしく装備となります。

クラス最軽量とはいかないまでも十分及第点な軽さ、そして着用のし易さと携行時の工夫まで考えられている『フューチャーライト パラボラ パンツ』はやはりトレイルランニングに最適化されているレインパンツと言えます。

そして冒頭でも触れました通り、この特徴的なレインパンツはハイカーの方にも活用して頂きたいアイテムと感じます。
繰り返しになりますが補強生地とのハイブリッドになっていたりと、極限の軽量化よりも耐久性とのバランスを重視しているスペックはトレイルランニングに限らずあらゆるマウンテンアクティビティでも重宝します。
着用のし易さに関しても、むしろハイキングの方こそミドルカットやハイカットシューズで靴の脱ぎ履きが面倒な分、恩恵を感じやすいかもしれません。
日本の高温多湿な気候を踏まえた場合、特に低山がメインフィールドという方はウェア内換気の観点からもフューチャーライト生地に期待してみるのもいいと思います。
 

以上、今回はザ・ノース・フェイスのレインパンツ『フューチャーライト パラボラ パンツ』のご紹介でした。
気になる方は是非店頭で試着してみてください。
このパンツ、何が良いって、フルオープン式のおかげで試着の時でも靴を脱がなくていいという点!
つまりいちいちフィッティングルームを使用する面倒も無いという事です(笑)


商品ページはこちらです。
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THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12473 FL Parabora Pant / フューチャーライトパラボラパンツ(ユニセックス)

▲フューチャーライトパラボラパンツ

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) NP12472 FL Parabola Jacket / フューチャーライトパラボラジャケット(ユニセックス)

▲NP12472 フューチャーライトパラボラジャケット

2024-08-05 13:45:30

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GREGORY(グレゴリー)『ズール LT/ジェイド LT』 ロングセラーのDNAを受け継ぐ新シリーズ

GREGORY(グレゴリー)『ズール LT/ジェイド LT』 ロングセラーのDNAを受け継ぐ新シリーズ

「GREGORY(グレゴリー)」のロングセラーパック「ズール/ジェイド」を参考に設計された新モデル『ズール LT/ジェイド LT』を紹介します。

ネーミングの通りそれぞれの軽量コンパクトモデルにあたる「ズール LT/ジェイド LT」ですが、只単に軽量バーションというだけでなく、本家譲りの背負い心地もしっかりと継承。
背面のメッシュパネルからヒップベルトまでが体を包み込むように一体となり、腰にかかる荷重を分散し快適なフィット感を実現します。

風が通り抜けるようなメッシュパネルの背面は通気性抜群ですので、酷暑で蒸し暑い時期のハイキングにも最適です。
☆あまり着目されませんが、汗処理を意識したウェアのレイヤリングを最大限活かすためにはザック側の仕様もポイントとなります。

また大容量ボトルが入るサイドポケットや、スマホが入る大きめのヒップベルトポケットなど小物の収納も充実。
ザックの基本性能の高さも流石GREGORYといったところです。

軽量で取り扱いしやすく、小型パックでも充実の機能性が搭載された新モデル「ズール LT/ジェイド LT」は様々なプレイヤーにおすすめの今年注目アイテムです。

バリエ―ション

GREGORY(グレゴリー)『ズール LT/ジェイド LT』 ロングセラーのDNAを受け継ぐ新シリーズ GREGORY(グレゴリー)『ズール LT/ジェイド LT』 ロングセラーのDNAを受け継ぐ新シリーズ

「ズール LT/ジェイド LT」シリーズは20、24、28の3タイプの容量で展開。
本家にあたる「ズール/ジェイド」シリーズの30(28)~65(63)という日帰りからテント泊縦走までカバーする幅広いバリエーションに対し、LTシリーズはデイハイクまたはより気軽なアクティビティにフォーカスしたサイズレンジとなっています。

仕様

GREGORY(グレゴリー)『ズール LT/ジェイド LT』 ロングセラーのDNAを受け継ぐ新シリーズ

両シリーズで唯一重複する容量「ジェイド LT 28」「ジェイド 28」で比較してみます。
日帰り登山でも最もオーソドックスな容量であるこれら同士を比較しても、それぞれの特長が際立っているのがお分かりいただけると思います。
気軽に登山を楽しみたい方、軽量さを活かしてよりアクティブに行動したい方は「ジェイド LT」、
より精密なフィット感を求める方、荷物が多くなりがちな方は「ジェイド」、
このような選び分けができるようになっています。

特長

zuluLTjadeLT

  • あらゆる体形の腰やヒップにフィットするよう設計された背面形状。

  • サポート力ある背面のメッシュバックパネルと一体型のヒップベルトによって、パックの荷重を均等に分散。

  • 肌に近い部分には滑らかで通気性のあるメッシュを備えたパッド入りショルダーストラップを採用。
     

zuluLTjadeLT

  • ウエスト部ジッパー付きポケットはスマホが収納できる大きめのサイズ。
     

zuluLTjadeLT

  • 大容量のボトルを収納できるサイドのストレッチメッシュポケット。
     

zuluLTjadeLT

  • 同社の3Dハイドロリザーバーに対応するハイドレーション・スリーブ。
     

以上、簡単ではありますが『ズール LT/ジェイド LT』シリーズの紹介でした。

最近ではトレンド的にも、ユーザーの志向的にもより小型のパックが求められるようになってきていますが、
パックメーカーの雄・GERGORYは流石しっかりと完成度も保ちながら回答を出していますね。

気軽なハイキングや日帰り登山にそこまでの高スペックなパックは必要ないかもしれませんが、そこは登山靴と同様に考えてみませんか?
いいパック(=靴と同じで登山の相棒!)選びは快適さや便利さに直結するので、いつもの登山を一味も二味も充実したものにしてくれるハズですよ。

店頭にお越しの際はぜひフィッティングして、背負い心地を味わって頂ければと思います。


商品ページはこちらです。
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GREGORY(グレゴリー) ズール20 LT

▲ズール LT 20

GREGORY(グレゴリー) ズール24 LT

▲ズール LT 24

GREGORY(グレゴリー) ズール28 LT

▲ズール LT 28

GREGORY(グレゴリー) ジェイド20 LTGREGORY(グレゴリー) ジェイド20 LT

▲ジェイド LT 20

GREGORY(グレゴリー) ジェイド24 LT

▲ジェイド LT 24

GREGORY(グレゴリー) ジェイド28 LT

▲ジェイド LT 28

 

2024-07-30 10:11:12

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【再入荷!】革新的ビレイデバイス『PETZL(ペツル) NEOX(ネオックス)』

PETZL(ペツル) ネオックス

PETZL(ペツル)の『NEOX(ネオックス)』が再入荷いたしました。

2024年のクライミングギア新製品の中でもっとも注目株と言っても過言ではないこのネオックス。
入荷第一弾は先月下旬でしたが、発売を心待ちにしていたクライマーの皆さんの反響が凄く、初回入荷分があっという間に完売してしまっていた状況でした。

そして今回待望の再入荷!
今回は数も多めに確保できまたので、前回買い逃した方はどうぞお早目に!

What's Neox?

PETZL(ペツル) ネオックス 『NEOX』をご存じない方に向けて改めて紹介いたしますと、こちらはリードクライミング用のビレイデバイス(確保器)になります。

PETZLと言えば「GRIGRI(グリグリ)」というビレイデバイスが特に有名ですので、こちらであれば耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
また確保器というジャンルにおいては、アルパインクライミングや沢登りをやる方も含めて同社の「ベルソ/ルベルソ」なら知っている・使っているよという方もいらっしゃると思います。

PETZL(ペツル) ネオックス

▲グリグリでのビレイ状態

PETZL(ペツル) ネオックス

▲ベルソでのビレイ状態

 

両者の違いですが、「グリグリ」は「ベルソ/ルベルソ」よりも更にリードクライミングに特化したビレイデバイスになります。
上記の写真の通り見た目からしてまず大きく異なりますが、グリグリがよりメカメカしくしている理由こそが最大の特徴“ブレーキアシスト機能”の搭載にあります。
墜落が頻繁に発生するリードクライミングにおいて、文字通りビレイヤ―がクライマーの墜落を止める動作をアシストする機能であり、クライマーの墜落に合わせて器具(カム:上記の写真で本体の中でロープが通っている部分)が作動しロープをロックする仕組みになっています。
そしてそのロックを解除するためのレバー、ハンドルがもう一つの特徴です。
通常荷重やロックがかかった状態のビレイデバイスを操作(荷重解除)するのは経験とコツが必要ですが、このグリグリのハンドル機構はロックを簡単に解除でき、且つ滑らかにロワーダウン(クライマーを地上に降ろす操作)をする事ができます。
ロープ操作を含めてビレイ→ロワーダウン→ビレイ→ロワーダウン・・・の繰り返しになるリードクライミングにおいて、グリグリは最適且つ合理的なビレイデバイスという事でクライマーの間ではお馴染みです。

PETZL(ペツル) ネオックス

グリグリはロープセット時にカラビナを経由しないので、ロープセットもシンプル。そのおかげでロープの流れもスムーズになるため、シビアなロープ操作が求められるクライミングにおいては特に有効なビレイデバイスと言えます。

そんな中今回新たに登場したのが『ネオックス』
一見するとグリグリと何ら変わらないのでは?と思われている方も多いと思いますので、続いてはネオックスの特徴とグリグリと異なる点を紹介します。

よりスムーズなロープの流れを生むホイール機構

PETZL(ペツル) ネオックス

「ネオックス」の最大の特徴でもありグリグリと最も異なる点がカムにホイールが搭載されている事です。
この機構によりロープをよりスムーズに、流れるように操作できるようになっています。
始めてこれを見たときは“なるほど、この手があったか!”と衝撃を受けましたが、改めて考えてみるとありそうでなかった気もしますね。

PETZL(ペツル) ネオックス

▲ネオックスでのロープセット

PETZL(ペツル) ネオックス

▲グリグリでのロープセット

 

上記の通り両者のカムの機構の違いは一目瞭然です。ロープが屈曲している部分に着目してもグリグリよりも更にネオックスの方が滑らか。円形状、且つ回転までするので一度味わったら病みつきになりそうなスムーズさです。
そしてこのカムの真骨頂はクライマーの墜落時、もしくはロープにテンションをかけた状態では回転が止まりブレーキアシスト機構として作動するという点です。本当に凄い仕組み!
なので“グリグリよりも更に滑らか”“でもってブレーキアシストも機能する”という、本来であれば矛盾してそうな要素の両立、クライマー/ビレイヤ―にしてみれば両方いいトコどりの贅沢な進化、これこそがネオックスが革新的ビレイデバイスとして注目を浴びている理由でしょう。

*公式サイトにあるホイール動作の詳細がアニメーションで解説されていて大変分かりやすいので、ぜひそちらもご覧ください。

特にネオックスが真価を発揮するのは次のシチュエーションです。
リードクライミングにおいてルート上でクライマーが中間支点に到達した場合、クライマーのそれぞれの動きに連動してビレイヤ―も

  • クライマーがロープをクリップする:ビレイヤ―はロープを素早く繰り出す

  • クライマーがロープをクリップした:ビレイヤ―はロープを速やかに手繰る

というロープ操作が必要になります。
ビレイヤ―心理としては①②ともスムーズな動作を心掛けたいものですし、①②がスムーズであればあるほどクライマーも登る事に集中できます。
ちなみに同様の場面でグリグリを使用する場合、①についてはカムがつられて作動しないようもう一方の手の親指でカムを押さえておく必要があるのと、②についても人によってはロープ径の影響などで動作を重く感じる人もいるかと思われます。
つまりこの2点を見事に解消しているネオックス、グリグリよりも更にリードクライミングに最適化したビレイデバイスというキャラクターです。
ロープがスムーズに流れる事、ビレイヤ―側の操作が淀みない事はクライマーにとっても余計なストレスの解消にもなりますので、ネオックスはクライマー&ビレイヤ―双方にとっても理想的なビレイデバイスではないでしょうか。

PETZL(ペツル) ネオックス

ネオックスももちろんハンドル搭載。
人間工学に基づいたデザインで、下降のスピードをコントロールする際にかかる労力が抑えられます。
ちなみにハンドルを含む全てのプラスチック部品がリサイクルナイロン製という環境にも優しい仕様。

ここまではネオックスの魅力ばかりを伝えてきましたが、敢えて注意点をあげるとすれば、プレイヤー・もしくはシチュエーションによってはメリットがデメリットになり得るかもしれない、という点です。
経験者やグリグリユーザーで勘のいい方は既にお気づきかもしれませんが、ロープがより流れやすくなるという事はそれだけ制動が効くのが遅くなる可能性があるという事でもある為です(ビレイヤ―の反応がより重要になる為)。
もちろんこの点をメリットとして活したいという人もいるかもしれませんが(いわゆる“ガッツンビレイ”対策)、そもそもがグリグリ自体もビレイ経験者を想定しているデバイスでもあり、ベルソ/ルベルソの仕組みや使い方も含めてビレイというスキルを総合的に理解した上で使用しなければなりません。これはネオックスも同様。
よって今かなり話題になっているネオックスではありますが、必ず製品特性を十分に理解し、未経験の方であればまずビレイ技術の習熟を経てから検討いただいた方が無難で安全と思われます。
また、この点でも実はグリグリ、あるいは今回紹介を活用したグリグリ+も差別化が図られています。
ネオックスはあくまでグリグリやグリグリ+のいい部分をより磨いた“特化型”デバイスであり、決して両者の後継品という訳ではありません(上記赤字部分に関連)。
一言にクライミングと言っても力量やスタイルが人それぞれあるように、「ネオックス」「グリグリ」「グリグリ+」を選び分けることができるようになっています。

という訳で最後はこれらを簡単に比較して終わりにしたいと思います。
(PETZL公式サイトからの引用です)
商品ページリンクとあわせてどうぞ。
↓↓↓

PETZL(ペツル) ネオックス

▲NEOX ネオックス

  • リードクライミングに最適化

  • 重量:235g

  • 8.5~11mmのシングルロープに対応

  • ロープの繰り出しがスムーズ

PETZL(ペツル) D014BA グリグリ

▲GRIGRI グリグリ

  • リード、トップロープクライミング

  • 重量:175g

  • 8.5~11mmのシングルロープに対応

  • コンパクトさと汎用性

PETZL(ペツル) D13A グリグリ+

▲GRIGRI+ グリグリ+

  • 初心者、トップロープクライミング

  • 重量:200g

  • 8.5~11mmのシングルロープに対応

  • パニック防止機能/トップロープモード

 

※ロープを繰り出したり墜落を止めたりする方法は、一般的なビレイ技術と同様です (末端側のロープから決して手を放さないでください)。よってまずは基本的なビレイ技術の習得が必要です。
※適合するロープ、カラビナ、ハーネスの種類や規格についても熟知しておく必要があります。

※使用する前に必ず取扱説明書の内容の全てについて、よく読み、理解し、遵守し、実施してください。(取扱説明書の内容を理解できない場合は原則使用禁止とされています)
※製品を正しく使用するための適切な指導を受け、また製品の機能とその限界について十分理解した上で使用してください。
※クライミングは重度の傷害や死につながる場合があります。使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいはそれらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用してください。
※クライミングギアは必ず危険が伴います。ユーザー各自で自身の行為、判断、および安全の確保についてその責任を負う必要があります。クライマーを重度の傷害や死の危険に晒さないための注意を怠らないでください。

2024-07-20 13:46:34

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