登場人物は皆腕利きの登山家達ですが、エベレストの猛威の前ではどんな心理状態に陥るのか?
そこに感情移入できるかどうかはともかく、展開もシリアスでスリリングなので、観ているこちら側もサバイバルに引き込まれました。
出演陣が豪華なので、実話とはいえオーバーな脚色があったり美談にしてあるのかなと思ったらそうでもなく、やはり主観はエベレスト(に限らず山の)の美しさと恐ろしさに置いてありますので、既に事件の事をご存知の方も変な先入観なく鑑賞できるのではないかと思います。もちろん事件の事をご存知ない方、はたまた山に全く興味ない方にとっても見応えのある一つの作品になっていると思います。
確実に娯楽作ではありませんが、雪山シーズンに突入する頃合で公開開始というのが何かのメッセージのようにも感じます。
私自身、大した登山経験はありませんが、本作品を鑑賞したことで改めて山に対するモチベーションが上がった反面、あるいはそれ以上に安全面で気を引き締め直すきっかけになりました(特に雪山)。
ちょびっとだけネタバレになりますが、劇中で一部辛辣な言い回しがあり、それは正直私をはじめアマチュアレベルの愛好家にとっては夢を打ち砕かれるような気分になります。
ですが、山に行くということはそれだけリスクのあることであり、たとえ馴染みのフィールドでも常に死と隣り合わせで、判断を謝れば最悪命を落とす危険をはらんでいるという事実を再認識しました。
以上、それっぽく書いてみましたが、やはり本作は史実ベースなので観る方の視点によって感想が大きく変わると思います。
鑑賞に行かれる予定の方はよかったらご来店の際に感想を聞かせてくださいね(^-^)
最後に余談を一つ。
同じ山テーマの映画として8月は『
私に会うまでの1600キロ』という作品を観てきました。
これも印象に残る作品だったのですが、こちらは残念なことに佐賀での公開がなかったので皆さんに報告できませんでした(^_^;)
ソフト化されたら是非ご覧になってみてください。
アルピニスト・クライマー視点の『エベレスト3D』、
ハイカー・トレッカー視点の『私に~』。
私自身映画はそこそこ鑑賞する方ですが、
業界人としての贔屓目抜きにしても、この2作は印象に残る作品でした。