2024年ALTRA(アルトラ)の注目トピックス、トレイルモデル「TIMP(ティンプ)」がアップグレードし『TIMP 5』として新登場です。
▲TIMP 5 WOMENS |
▲TIMP 5 MENS |
アルトラのトレイルシューズと言えば、「LONE PEAK(ローンピーク)」「OLYMPUS(オリンパス)」の2モデルがお馴染みと思いますが、
今回のTIMPもまた魅力溢れるモデルですので、この機会に改めてご紹介いたします。
■ALTRA(アルトラ) TIMP 5 Men / ティンプ 5 ウィメンズ
■ALTRA(アルトラ) TIMP 5 Men / ティンプ 5 メンズ
まずはTIMPシリーズを簡単におさらい。
▲左から「LONE PEAK 8」「TIMP 5」「OLYMPUS 5」
TIMPシリーズはアルトラ・トレイルランニングシューズのラインナップ中、厚底の部類に位置します。
段階で説明しますと、ブランドの代名詞的モデル「LONE PEAK 8」で靴底の厚さが25mm、
最厚モデルでランナーにもハイカーにも支持が高い「OLYMPUS 5」が厚さ33mm。
そして「TIMP」は29mmと、ちょうど両者の中間になるように設計されています。
採用されているミッドソール『EGO MAX』はアルトラの長距離用ロードシューズにも搭載されている素材。
高い反発とクッション性が特徴です。
「LONE PEAK」「OLYMPUS」との相違がもう1点あります。
それはフィット感の違いです。
▲左から「LONE PEAK 8」「TIMP 5」「OLYMPUS 5」
上記の写真では分かりにくいかもしれませんが、中央の「TIMP 5」のみやや細身のシルエットをしているのが伝わりますか?
実はアルトラシューズは各モデル毎に3パターンのフィットが使い分けされています。

ALTRAシューズの最大の特徴、そしてアイデンティティーでもある“人間の自然な足の形”を追求したのがこの『フットシェイプ フィット』。
パッケージやカタログにあまり詳細な記載が無いため、ここまで把握されてアルトラシューズを使用されていらっしゃる方は相当コアなファンと思われます(笑)
画像の左端はいわゆる一般的なシューズの形状、各赤がアルトラのフットシェイプ3種。
ORIGINAL>STANDARD>SLIMの順でより幅広になっていく、ゆとりがある構造という認識で大丈夫です。
こちらを元に解説しますと、「LONE PEAK 8」「OLYMPUS 5」はORIGINALフットシェイプ。このポリシーの原点でもあるORIGINALlは3つのパターンの中で最も広いスペースが確保されています。
対して「TIMP 5」はSTANDARDフットシェイプでデザインされています。ORIGINALとSLIMの中間に位置する、最も一般的なフットシェイプフィットです。
以上の区別で簡単にまとめますと、
「じゃあこのTIMPってのは、どういう人に向いてるの?」
「前からあるのは知ってるけど、いまいちポジションが分かりにくい」
というお声を売り場でもよく頂くのですが、
これらに該当する方はTIMPも検討されてみてはいかがでしょう?、といった具合に提案させて頂いております。
しかしながら、LONE PEAKとOLYMPUSの2強はやはり人気・知名度共にあまりにも圧倒的・・・。
そのため、これまでは両雄の陰に隠れがち、少し大げさな表現だと過小評価!?されてる感もあったTIMPシリーズですが、今回のアップデートが遂に陽の目を見る機会になるのではないかと期待しております。
という訳でここからはその気になるアップデートの中身を、TIMP 4からの変更点を中心に見ていきたいと思います。
申し遅れましたが今回担当を務めさせて頂きます、福田です。

私、先代モデル「TIMP 4」が好きすぎて計3足を履き潰しました(笑)
そんなわけで今回のファーストインプレッション記事をあげるのを楽しみにしておりました!
外観比較
まずは全体のシルエット比較、写真左が「TINP 4」、右が今回新登場の「TIMP 5」です。
アッパー
アッパーにはクイックドライメッシュというものが採用されており、これは4からの継続。

但し5は編み込み密度が上がってます。その為か感触がやや硬め。4とは対称的な履き心地。
好みが分かれそうな仕様変更ですが、シューズに剛性感を求める人にとっては改善点と思います。
またメッシュの密度が上がった事で、微細な砂や埃等の侵入を軽減できるかも。
表面もより滑らかになって凹凸が少ないので、引っ掛かり・引き裂きに強くなったような印象を受けます。
続いてつま先部分。

指先とその周囲を保護するためのトゥーガードがより硬質かつ広範囲になりました。
アッパーメッシュの高密度化も含めて、今回のアップデートは耐久性向上の工夫が目立ちますね。

かかと周りの形状にも変更あり。内壁のボリュームが増しています。
ホールド感の向上はもちろん、密着する事による砂利等の侵入防止も期待できそうです。
見た目だけでなく、実際にヒールカウンター全体を手で触ってみても、5の方がよりカッチリとしています。
かかと周りは足の形状で相性・個人差が出やすいですし、ソフト目が好き・ハード目が好きかでも反響が分かれるため難しいポイントではありますが、今回の仕様変更はとにかくヒールの安定性を第一に設計してある印象です。
以上の変更点は4と5の機能面の違いに大きく影響しています。
ここで注意が必要なのは、この変更の影響で、人によってはサイズ選びが変わってしまうかもしれないという点です。
あくまで個人的感覚ですが、同じサイズでも4よりタイトに感じましたので、購入の際は慎重にフィッティングをした方がいいかもしれません。
特にハイク使いの場合、こういったローカットシューズでも靴下は厚目を履きたいという方は注意してください。
トレイルでの使用感に関しては、やはりSTANDARDシェイプのおかげもあってか、ブレの少ない安定感は流石といった印象。
まだごく短い距離でしか試せていないので、早く実践想定で長距離・長時間で試してみたいところです。
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シューレースパターンにも変更あり。
TIMP 5の方がより外周から足を包み込むような工夫がなされています。
ここでもフィット感を高める意図が感じられます。
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シュータンも一新。
まんべんなく厚くなったことで甲側のフィットもケアされています。
靴紐の過度な締め付けや、淵が足に食い込んで痛くなる心配もなさそうな形状です。
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ミッドソール
クッションはEGO MAXで4からの継続。
使用感も良好、上述しました“適度なクッション”は舗装路~林道~トレイルといったあらゆる路面セクション、
あらゆる距離でオールラウンドに対応してくれます。
これはトレランに限らず、ハイキングでも推したいポイントです。
機能面で一部マイナーチェンジ。
外観で気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、TIMP 4には設けられていた排水溝ですが、5では省略されたようです。
ついでにインソールはこんな感じ。 TIMP 5に付属するのは最近のアルトラによくみられる立体的でクッションが効いたインソールです。
アウトソール
▲<左>TIMP 4 <右>TIMP 5
この部分が今回の最大の変更点、Vibram Megagrip搭載となりました。
ALTRAでは既にORYMPUSにて採用済、他でも多くのメーカーがハイキングシューズやトレランシューズに採用している抜群のグリップ力が定評のアウトソール。
最近のALTRAの傾向としてシューズの用途をトレイルランに限定せずハイクにも提案してありますので、特に両ユーザーから好評のOLYMPUSを意識した仕様変更なのでしょう。
▲<左>TIMP 4 <右>TIMP 5
比較するとラグ(突起)の総数に大差はなさそうですが一つ一つが小粒になったため一見すると若干心もとなく感じますが、5のアウトソールはそれぞれのラグのエッジが際立っているのが確認いただけると思います。
そして気になるトレイルでの使用感、ここで4との違いがはっきりしました。
登りでも下りでもとにかくグリップが効く、地面をよく“噛んで”くれます。
TIMP 4に対して上記の要素で不安を感じていらっしゃった方にとっては確実に改善点です。
上記の写真でお気づきになられる方もいらっしゃると思いますが、TIMP 4って実はそんなにトレランシューズらしいラグの形状していないんですよね。これってロードや林道も多いトレランレースではオールラウンダ―として活躍してくれるんですが、逆に雨の日、特にぬかるんだトレイルではやや頼りない印象だったんですよね。
今回の変更はその辺のネガティブなイメージを払拭してくれています。
ちなみに5のラグパターンについては、形状的にロード性能は4より劣るのかなと先入観がありましたが、実際に使用してみるとそこまで気になりませんでした。ラグの数と配置パターンを絶妙なバランスで工夫されているのだと思います。
そしてビブラムソールになった事で期待したいのがもう1点、そう、耐久性ではないでしょうか。
やはりトレランというと基本的には長距離・長時間を想定しますし、ハイキングでも岩稜帯や車道歩きなどで消耗が激しくなる事も想定されますので、長持ちするに越したことはありませんしね。できるだけ1足に長く活躍して欲しい!
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TIMP 4はMaxTracというアウトソールが採用されていました。
これはこれでいいのですが、如何せん消耗が激しいのが・・・。
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重量比較
最後に重さをチェックします。メーカーのアピールポイントの一つに大幅な軽量化に成功とありましたので、その成果は果たして―。
サイズはいずれもメンズのUS9.0(27.0cm)、片方での計量です。
▲TIMP 4 293g |
▲TIMP 5 279g |
これだけだと「そんなに軽量か?」と思われるかもしれませんが、上述しました通り“クッション性とグリップ力を兼ね備えた厚底トレランシューズ”という観点で見れば十分軽い部類、及第点と言えるのではないでしょうか。
実用性能と軽量性、これらを高次元で両立していることこそが今回のTIMP 5の最大の特徴に感じます。
参考までにLONE PEAKとOLYMPUSは下記の通りです。
▲LONE PEAK 8 289g |
▲OLYMPUS 5 324g |
ほんの僅かではあるものの、より薄底のLONE PEAKよりも軽いという衝撃!
OLYMPUSほどのクッションは必要ないかも・・・という方には、大幅な軽量化になります。
以上、ファーストインプレッションが中心ではありましたが、新登場のTIMP 5の紹介でした。
ちなみにですが、バリエーション品のこちらも入荷しております。
▲<左>TIMP HIKER GTX WOMENS <右>TIMP HIKER GTX MENS
防水ミッドカットモデル「TIMP HIKER GTX」です。
■ALTRA(アルトラ) TIMP HIKER GTX Women / ティンプ ハイカー GTX ウィメンズ
■ALTRA(アルトラ) TIMP HIKER GTX Men / ティンプ ハイカー GTX メンズ
今回詳細説明は割愛させて頂きますが、こちらもまたLONE PEAK、OLYMPUSに倣ってTIMP“ファミリー化”で発展し、アウトドアシーンを盛り上げっていってくれそうな予感です。
ランナーにもハイカーにも試していただきたい新TIMPシリーズ、店頭にお越しの際は是非フィッティングしてみてください。
2024-03-02 13:00:55
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