新年度、新生活―。
何かと始まりの4月が終わりかけ、早くもゴールデンウィークが迫ってきましたね。
レジャーの計画や準備でそわそわしている方も多いと思われますが、我々アウトドア業界ではシーズン立ち上がりの入荷がまだまだ続いております。
今シーズンもワクワクする新商品が多数、目白押し!
という訳で今回、そんな新商品群の中でも特に力作が目立つブランド、SOTO(ソト/新富士バーナー)をピックアップしてみたいと思います。
登山でもキャンプでも支持が厚い、お馴染みのジャパンブランド・SOTO。
新商品登場時はいつも期待してしまいますが、今年2024年の新作もまた刺激的な顔ぶれですので要チェックです!
今年のSOTO新商品の本命、CB缶を燃料とした登山用シングルストーブ『ST-350 トライトレイル』。
ありそうでなかった“登山用を謳った”CB缶ストーブ。
キャンプ用CB缶ストーブの定番としてとして既に不動の地位を築き上げている同社の「ST-310 レギュレーターストーブ」の使い勝手、
そして登山用ストーブ群の中でも圧倒的な性能を誇る、こちらもまた同社の「SOD-310 マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター」の信頼性、これらを併せ持つハイブリッドなストーブとして誕生しました。
従来のST-310レギュレーターストーブだったり、他社製のCB缶ストーブを山に持って行っている方も多いと思われますが、 おそらくほとんどの方が重さや大きさを妥協しながら使用されているかと思います。
しかも時には火力や火加減で残念な思いに悩まされながら―。
新商品のトライトレイル(以下、ST-350)からは、そんな問題をピンポイントに狙ったかのようなコンセプトを感じます。
そして今回忘れてはいけないのが、後述する新CB缶「TOUGH」シリーズの存在。
これと組み合わさる事でST-350はその特徴を最大限発揮します。
“Tri”のネーミングの意図とは違うかもしれませんが、
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ST-310の使い勝手
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SOD-310の信頼性
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CB TOUGHの存在
これら要素の“三位一体”の意味もあってもいいんじゃないかなと個人的には感じてます。
という訳で皆さんが気になる部分、 最も比較対象になるであろうST-310との相違点を見ていきましょう。
まずは本体外観。
ご覧の通り大きさが一目瞭然。 各パーツの小ささ、中でも小型化されたレギュレーターがコンパクト化に貢献してます。
燃料になるCB缶をセットして初めて3本脚で自立する設計。
名前の由来“Tri(トライ)”もきっとここからではないでしょうか。
本体の脚が実質2本であること、写真でもお分かりいただけます通り遮熱シールドも小型化された事で全体的にすっきりとした印象です。
そして登山用を謳う以上、やはり期待してしまうのは軽量化。
これを歴代のCB缶レギュレーターストーブ達と比較してみましょう。
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まずはメインターゲット、
ST-310 レギュレーターストーブ
⇒332g
定番過ぎて気にならなかっただけかもしれませんが、やはりそれなりの重量ですね。
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続きまして上記の高出力タイプ、
ST-340 レギュレーターストーブ Range(レンジ)
⇒358g
こちらは見た目通りでしょうか。流石にキャンプ専用かな。
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今度は分離タイプ、
ST-330 レギュレーターストーブ FUSION(フュージョン)
⇒256g
ホースがついてる分だけST-310より重いと思いこまれがちですが、実はST-310より軽いんです。
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さてお待たせしました、今回の主役、
ST-350 レギュレーターストーブ TriTrail(トライトレイル)
⇒132g
流石この中では断トツの軽さ!
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以上のように軽さや大きさの点ではまずきっちりとコンセプト通りでしょう。
(流石にOD缶バーナー本体と比べるのは分が悪いし、本製品の趣旨ではないと思いますので割愛します)
次に機能面での違い。
主に2点、まずは点火部分です。
点火ボタンの位置自体はST-310と同じですが、アシストレバーが標準搭載されています。
ST-310は別で購入しないといけなかったパーツが標準装備になった・・・
山用こそ省略しても良さそうな気もするが・・・
これはつまりSOTOさん自体も結局このレバーがないと不便と認めているようなものでしょう(笑)
SOTOさん、そういうことならST-310もいい加減点火アシストレバー標準装備にしましょう!
続いてバーナー部分、ここは擂鉢形状を採用。
山用OD缶ストーブのエース、ウインドマスターとそっくりの形状。
山で使う以上は風対策は必須ですから、これは最適解でしょう。
この仕様のおかげでST-310ユーザーの間でにわかに流行っていた風対策もこちらは不要のようです。
以上の2点、オプション購入の必要なし+小細工を考えずに済む、買った状態で使用可能という点はユーザー目線のいい改善点と思います。
火力については必要最小限という感じです。
繰り返しになりますが、あくまで“山でストレスなく使えるCB缶ストーブ”が趣旨と思いますので、高火力、あるいはエクストリームな状況での使用に対する期待は酷と思います。
その場合はそれぞれで頼もしい他のモデルがいますので、結局のところ選び分け・使い分けではないでしょうか。
よって、改めてSOTOのストーブラインナップの中でのST-350のポジションのおさらいです。
登山使用を前提とする場合、
●他CB缶ストーブと比較した場合のメリット・・・大幅な軽量コンパクト化
●OD缶ストーブと比較した場合のメリット・・・・トータル1.5時間未満の使用であれば燃料コスパに優れる
他の長所を探すならその低重心設置と思います。 特にウインドマスターのようなOD缶直結型シングルバーナーはどうしても高重心にならざるを得ず、しかも山での使用は基本的に不安定なシチュエーションが多いため、 炎&熱湯をおっかなびっくり扱っているという方も多いのではないでしょうか。
特にメスティンみたいにどんなバーナーに対しても基本安定しにくいようなコッヘルをよく使う方にとっては低重心は安心感につながると思います。
ストーブ本体はとりあえずこのくらいにして、続いて燃料のお話です。
実は次の商品紹介まで含めてST-350の魅力になります。
こちらは登山だけでなくキャンプでも待ちわびた方が多いのではないでしょうか、
シンプルに表すとハイパワータイプのCB缶燃料です。
見た目には分かりにくいですが他のCB缶より耐圧性のある容器を採用してあり、更にガスの成分もSOTOのOD缶と同じくイソブタン・ノルマルブタン・プロパンの3種混合仕様(SOTOだけでなく、他メーカーもハイパワータイプと言えば基本この配合)。
これによって外気温に影響されにくくなり、より寒い環境(=一般的にCB缶燃料が特に苦手とする冬の山など)での使用が可能になっています。
また耐圧容器の採用は気温が高くなる夏場でも安全に持ち運べるという点でもメリットであり、よってこの新しいCB TOUGHシリーズは季節を問わず、登山でもキャンプでも従来品より優れた性能を発揮する燃料と言えます。
そしてこのCB TOUGHを先述のST-350ならびに各レギュレーターストーブの燃料として使用する事で、低温環境下でも火力不足やドロップダウンを心配する必要が無くなる!という訳です。
さらにこのCB TOUGH、燃料として凄いだけでなく、キャップに一工夫あるのが興味深いです。
オリジナルの「Shell Cap(シェルキャップ)」といい、CB缶のノズルを安全に保護する新設計のボンベキャップになっています。
フラット形状でコンパクト、パッキング時に外れにくく、ボンベ使用時は底面に取付可能でキャップの紛失を防ぎます。
ちなみに絶対質問されると思いますので、先のお伝えしておきますと・・・
ハイ、従来缶でも対応しますので使い回しOKです。
そしてこのCB TOUGH、特に125の方がサイズとキャップのおかげで実にいい仕事をしてくれるのがスタッキングにおいてです。
第一印象の直感で既にピーンと来ているそこのあなた、 おそらくこういうのを思い描いてたんじゃありませんか?
そうなんです、上述のトライトレイルと一緒にラージメスティンに収まってくれます!
缶の径そのものは鍋からはみ出してはいますが、蓋はちゃんとできるんです、これが!
ちなみに他の似たようなクッカーでも試してみたんですが・・・
どれも惜しい(笑)
個人的にはトレイルポットに収まればアツかったんだけどな~。
ミニマルクッカーは同ブランドなだけに何とかなって欲しかった(笑)
このようにCB TOUGHは中身のガスの性能はもちろん、125であればスタッキング面でも優等生という正しくハイカーに有難い燃料となっております。
また先述の「トライトレイル」はこの「CB TOUGH」とのペアで運用してこそ最大効果を発揮するストーブシステム。
という訳で初回ロットはCB TOUGHが1本オマケになった数量限定パッケージで大変お得です。
気になる方はどうぞお早めに!
125ばっかりヨイショしちゃってますが、225はより使用時間を長くできるいう利点もありますので、山メシに凝りたいときや鍋の出番が増える冬などに重宝しそうです。
セッティングの際は側面のデザインもちゃんと真横にくるよう計算されているのがまた秀逸。
ここまで長文で申し訳ありませんが、新商品紹介はまだ続きますので、もう少しだけお付き合いください(笑)
アウトドアライターの定番、マイクロトーチのバリエーション品です。
見た目の雰囲気そのまま、所有欲が刺激されると言いますか、とにかく男心のくすぐり方ををわかってますね、SOTOは(笑)
“エッジ”の名の通り、角ばったデザインとメタルの質感、手にしたときの重厚感はさながら超合金トイのようです。
このデザイン、実はルックスだけでなく機能上でも計算されていて、 テーブルなどに置いた際に、熱くなった火口が接触しないよう設計されています。
また故障対策もばっちり施されているなど、決して見掛け倒しでなく実用性も兼ね備えています。 こういう商品こそギア、逸品ってヤツですね。
余談ですが、最初に紹介したようなバーナーを使用する際は必ずこういったライターを予備で用意しておいた方が賢明です。
バーナーの点火装置は稀に作動しない場合もありますので(もともと付いてないのも多い)、その際はこういったライター等で点火する必要があります。
また大袈裟な話ですが遭難等の際は火を熾す手段、サバイバルギアとしても役に立ちます。
もちろんマッチでもOK。
今回の商品は正直趣味嗜好要素が強いため相応しいか微妙ですが、改めて装備チェックの注意喚起になればと思います。
最後はミニテーブルです。
登山では特に“必須ではないけれど、あったら便利”的ギアの筆頭ではないでしょうか。
SOTOでミニテーブルと言えばご存知「フィールドホッパー」が永らくの定番、というかSOTOに限らずこのカテゴリーの先駆け的存在でしたが、 今回新規でより登山を意識したモデルとしてこちらが登場。
フィールドホッパーのような展開⇔収納のギミックすらありませんが、シンプル且つ軽量というベクトルで差別化されています。
気になるのがサイズ感です。
フィールドホッパー<写真左>はいわゆるA4サイズでしたが、フィールドカイトはそれよりも一回り小さくなっています。
高さも気持ち低めに。
展開サイズの差は微妙ですが、収納時のサイズ差に驚愕。
こんだけ薄くなってます。
そして重量の差はというと
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フィールドホッパー
⇒390g
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フィールドカイト
⇒281g
山道具のこの差はデカい!
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機能面、つまり展開⇔収納に関してはよりシンプルになりました。
組立の際は天板を開いて脚を上記写真のストッパーに引っ掛けるだけ―。
パーツ構成も構造自体もごくシンプルなため、説明書がなくても直感的に操作ができるようになっています。
フィールドホッパーはワンアクションで展開するギミックは秀逸ではあるものの、収納時にコツが要るため人によってはそれがストレスに感じていたかもしれません。
その点フィールドカイトは解消されていますので、登山に限らずより万人受けしそうな気がします。
またフィールドホッパーにはあった端のこぼれ止めは無くなったようです。
端の形状自体が曲線状になった事で、収納時は一方に分尖った部分が無くなるようになりました。
これによって収納袋への出し入れの際に角が引っかかったりのストレスから解放され、またザック内部を傷つける心配も減りそうです。
収納袋もご覧の通り間口に余裕がある設計です。
(フィールドホッパーの袋はけっこうキチキチで作ってある)
ここで一旦、ここまで紹介してきた新商品たちを勢ぞろいさせてみたいと思います。
う~ん、素晴らしい統一感☆
これだけあったら登山もキャンプもバッチリじゃないでしょうか!?
新商品情報は以上です!
最後は補足です。こちらは新商品ではないのですが、この春から一部特約店でも販売可能になったSOTO初のテントになります。
発売直後はSOTOオンラインショップ限定販売だったのがこの春から解除された事で当店にもやってきました。
「えっ、SOTOがテントを⁉」という声が聞こえてきそうですが、これがまた斬新なアイテムでして(笑)
さすが炎を得意とするブランドらしく、SOTOならではの発想と工夫が満載のテントなんですよ。
これまで詳細を説明すると本当にキリがないので(笑)、詳細は商品ページでご確認ください。
こちらは店頭にて展示しておりますので、探しておられた方は現物をご覧いただけるチャンスかと思います。
以上、2024年、SOTOの新商品紹介記事でした。
気になるアイテム、面白そうなアイテムはありましたでしょうか? ご質問やご不明な点等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
ご購入はこちらからどうぞ。
↓↓↓
■ST-350 レギュレーターストーブ TriTrail(トライトレイル)
■ST-350TB レギュレーターストーブ TriTrail(トライトレイル) タフ125セット
■ST-711 CB TOUGH125
■ST-712 CB TOUGH220
■ST-489 マイクロトーチ EDGE
■ST-632 フィールドカイト
■ST-810 HORUS SOLO T/C
*詳細は各商品ページでご確認ください
2024-04-24 11:43:59
商品情報