まだまだ暑い・・・というかますます暑さが増しているといった感すらある今日この頃ですが、アウトドア業界では既に2024年の秋冬シーズンが始まっているブランドもあります。
実店舗では現在、春夏アイテムの「クリアランスセール」の真っ最中ではあるものの、一部先行して秋冬の製品が入荷しているブランドもあります。
9月からは秋冬物の入荷も本格化してまいりますので、残暑厳しい中ではありますが店内の品揃えが徐々に変わっていくところを楽しみにしておいていただければと思います。
さて、今回はそんな先行入荷品の中からALTRA(アルトラ)の『OLYMPUS 6』をご紹介します。
こちら8/9に発売されたばかりの新製品になりますので、どうぞ最後までご覧ください。
ALTRA OLYMPUSシリーズのおさらい
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アルトラのオリンパスは100kmを超えるロングトレイルランニングや重い荷物を背負った登山などのシーンで多くの方に愛用されています。
アルトラと言えば「ローンピーク」に代表されるような、過度にサポートの無いナチュラル系のシューズが多いと思われがちですが、実はオリンパスのように特定の用途に特化したモデルもラインナップされています。
例えば「ローンピーク」を所謂“ベアフット”系シューズのテンプレとするならば、オリンパスは更に安定感を加えたモデルになっています。
特長は、33mmにもなるスタックハイト(地面から足裏までの高さ/距離)を持つ厚底仕様であることです。
この「MAXクッション」によって地面からの衝撃を効果的に緩和しますので、長距離・長時間にわたる脚部疲労も軽減する事で安定を保つ狙いです。
一見これだけ厚底だとかえってグラついて安定感に欠けそうな気もしますが、内側に「ガイドレール」と呼ばれる、大きく内側に倒れ込みそうになった時に支えてくれる機能を備えています。
また正面から見ると靴底が地面に向かって扇形に広がっており、接地面積を広く確保できるようになっています。
さらにその靴底自体も今や多くの登山靴で採用されている「Vibram Megagripソール」を採用、優れたグリップ力もまた安定感の向上に繋がっています。
この性能のおかげでトレイルランナーに限らず、ハイカーにも支持されているのがオリンパスです。
近年トレンドになりつつある“脱ハイキングシューズ”ムーヴメントにおいても、オリンパスは“初めてのローカット”シューズによくチョイスされている印象です。
何よりアルトラ特有の広いトゥボックス「フットシェイプデザイン」もハイカーに好評のようです。
足が浮腫んできても快適さを損なわないため、下山時にはとくかくまず靴を脱ぎたい!といったように、これまで我慢して登山靴を履いていた方々にとってアルトラの履き心地は病みつきになるというお話もよく聞きます。
登山のハウツーでよく“下り坂はベタ足で”といったアドバイスを聞かれると思いますが、ここでもアルトラの「ゼロドロップ形状」が安定に貢献。足裏全体で接地しやすく、足本来の衝撃吸収能力を最大限に発揮できます。
高低差がある段差は強い衝撃を受けそうですが、そこもまたオリンパスのMAXクッションがカバーしてくれるといった具合です。
ここまで多くのユーザーに支持されるきっかけになったのがオリンパス4、
そこを盤石のものにしたのがオリンパス5というのがこれまでの経緯です。
という訳で続いては既にオリンパスユーザーの方が最も注目されているであろう、オリンパス5からのアップデートポイントを見ていきましょう。
オリンパス5→オリンパス6におけるアップデート
■ロゴ、外観
▲オリンパス 6
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▲オリンパス 5
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まず見た目にはっきりと異なるのがロゴです。
5から一転、アルファベットロゴのみ(「モンブラン」と同じパターン)に変更になりました。
この違いだけでも第一印象が全然違ってきますね。
ずいぶん思い切ったなぁとも感じましたが、オリンパス4やオリンパス5はユーザーが多いだけに、ある意味で差別化になっています。
4や5から買い替える方にとっても新鮮味があって良いのではないでしょうか。
とは言え好みが分かれそうな気もしますが・・・皆さんはどちらがお好みでしょうか?
■重量
▲オリンパス 6
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▲オリンパス 5
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いずれもメンズのUS8.0(26.0cm)ですが、実測してみてびっくりの結果に―。
というのも公式サイトによれば同サイズならオリンパス6の方が僅かに軽量化されているとのふれこみだったのですが・・・。
もちろんトレッキングシューズ等に対してであれば圧倒的に軽量ですが、重量にシビアなトレイルランナーは気にしそうです。
とは言え大事なのは履いた時にどう感じるかですので、これはぜひ店頭で試し履きをされた感想を聞いてみたいですね。
■アッパー
▲オリンパス 6
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▲オリンパス 5
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全域に渡ってメッシュ部分が配置された事で、通気性が向上、より速い乾燥が期待できます。
最近の猛暑の中での活動にとっては助かりますね。
■シュータン、シューレース
▲オリンパス 6
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▲オリンパス 5
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シュータンはより厚みのあるものに変更になりました。
また角も丸くなったことで足首側への当たりもソフトになっています。
▲オリンパス 6
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▲オリンパス 5
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シューレースも幅の広いものに変更。
シュータン&シューレースの変更のおかげで長時間の着用でも紐の食い込みが気にならないようになっています。
シューレース自体もほどけにくそうな仕様です。
ランナーズノット用のホールも引き続き備わっています。
■つま先部分
▲オリンパス 6
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▲オリンパス 5
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カタログによると“トゥガードを固すぎず柔らかすぎない素材に変更”と独特の言い回しがされていますが、これは下り坂などでつま先がシューズの先端に当たっても痛くならないようにするための工夫との事です。
悪路の比率が高い人にとっては有難い仕様変更ではないでしょうか。
■かかと部分
▲オリンパス 6
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▲オリンパス 5
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外観では判別しにくいですが、6ではかかと部分内部に「プレミアムアキレスピロー」が追加になっています。
これはおそらくアルトラシューズ全体で見ても初めての機構かと思います。
これによってフィット感と踏み込む感覚の向上を狙っているそうです。
5もかかと内部は立体的な構造をしていましたが、この差は履き心地にはどのように影響するのでしょうか。
先述したアッパー、シュータン、そしてかかとの変更とフィット感に影響する全ての要素が変更になっていますので、今の5の履き心地が気に入っている方は必ず履き比べてみてから6の良し悪しを判断された方が無難かと思われます。
■アウトソール
▲オリンパス 6
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▲オリンパス 5
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アウトソールは引き続き「Vibram Megagripソール」ですが、ラグパターンが変更、トラクションと安定性をさらに高めてあります。
ラグの高さ自体はほぼ同じですが、6はラグの先端にも段差が設けてあったり(ラグの上にまたラグがある)、手で触ってみるとラグそれぞれもよりエッジが立っているように感じます。
オリンパスは厚底故ただのクッションシューズに思われがちですが、実はこのラグパターンのおかげで登りも強い靴として定評があります。
最近では厚底シューズは決して珍しくありませんが、オリンパスが単に底が厚いだけの靴だけではない推しポイントが登りでの優れたトラクション性能。
それを生み出すラグが更に進化しているのは頼もしいところです。
オリンパス5は稀にこういったソール剥がれが起こっていましたが、6ではこの部分は中央部分と一体になっていますので、改善されていると期待したいところです。
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■GAITER TRAP
▲オリンパス 6
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▲オリンパス 5
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ティートンブロスのパワーゲイターが装着できる「GAITER TRAP(ゲイタートラップ)」は継続、これは嬉しいポイントですね。
既にパワーゲイターをお持ちの方は引き続き使えますので、ホッとされたのではないでしょうか。
しかも6はアッパー部分にロゴを一切載せないのかと思ったら、ゲイタートラップ上にさりげなく載せてるというニクさ。
全体の所感としては5で良かった点はしっかりと継承しつつ、アップデートの余地があった部分はしっかりと対応してきたという印象ですね。
足入れ感は人によって異なると思いますが、機能面においてはより完成度が高まったと評価していいと思います。
以上を踏まえて、次は実際にフィールドで試してみての感想をお届けします。
ファーストインプレッション
極短時間・短距離ではありますが、近場のフィールドでさっそくオリンパス6を試してきましたので、簡単にレポートしてみたいと思います。
(あくまで個人の所感なので参考程度にお願いします)
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フィット感
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シュータンとシューレースの変更によって甲周りを包み込んでくれるようなフィット感に向上。
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アッパーメッシュの変更もフィット感向上に繋がっているように感じる。
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「プレミアムアキレスピロー」を活かすためにはヒールをしっかり収めて、シューレースもしっかり結んだ方が良い。
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トゥガードの変更によるフィット感への影響は特に気にならなかった。
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機能面
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アッパーメッシュの通気性はソックスの素材次第で更に恩恵を感じれそう。
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5よりシューレースが解けにくい。且つ、甲への食い込みも感じにくい。
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アウトソールは相変わらず流石のグリップ力。やはり登りのトルクというか路面を掻き込む力は他のトレイルシューズと比べても上位と思う。急斜面の下りも安心感大。
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「プレミアムアキレスピロー」は細かい砂利などの侵入も防いでくれるという副次効果を発見。
下記はファーストインプレッションに関係ありませんが、個人的に「今日オリンパスで良かった~」と最も感じれるのはこういった路面↓。
特に超距離レースの場合、硬い路面や突き上げが多い路面の長~い下りセクションはとにかく足に堪えます。
終盤にかけて蓄積していく脚の疲労にも影響してくると思いますので、オリンパスの「MAXクッション」による衝撃緩和と「ガイドレール」による安定感は本当に助かっています。
ロングレースでスタミナよりも先に脚が終わってしまうという方は一度試して頂きたいです。
スペック比較
最後にアルトラの他モデルとのスペック比較をして終わりたいと思います。
アルトラと言えばブランドの代名詞的存在の「LONE PEAK(ローンピーク)」なら聞いた事があるという方も多いと思います。
ブランドの主力モデルだけあって現行ver.8まで進化しており、もちろん実績もユーザーからの評価もNo.1です。
ここ数年はこのローンピークと今回紹介しているオリンパスとで人気を二分する構図でしたが、
そこにこの春、ver.5にアップデートした「TIMP(ティンプ)」も加わり、このところ好調。
(TIMP 5を紹介した記事はこちら)
ということで「ローンピーク」「ティンプ」「オリンパス」、この現“三強”についての比較が知りたいという方が多いと思われますので、下記のような図を作ってみました。
スペックの比較はこのようになりますが、特に初めてアルトラを検討されるという方のためにご要望別のおすすめポイントを簡単に要約しますと、
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ローンピーク:基本の1足。アルトラの提唱する裸足感覚を味わってみたい方はまずこちらから。
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ティンプ:軽さも含めたトータルバランスを求める方。アルトラ特有の足型に抵抗がある方にもオススメ。
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オリンパス:トレイルランニングでもハイキングでも安定感と耐久性を重視したい方。
と言った具合で選び分けて頂ければと思います。
ちなみにここまでお読みいただいて、「あれ、なんか情報が足りないような・・・」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうです、オリンパス5みたいに防水モデルの存在が気になるところですよね。
ご安心ください、このオリンパス6にもハイキングシリーズ『OLYMPUS HIKE GTX』がラインナップされております。
ただこちらはについてはまだ未発売で今回ご紹介することが出来ませんでしたので、入荷しましたら改めて紹介をしたいと思います。
どうぞお楽しみに!
以上、今回はアルトラのオリンパス6の紹介でした。
秋のトレイルランニングレース用や紅葉登山用等で新しい一足を探しているという方は是非ご検討ください。
商品ページはこちらです。
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2024-08-08 22:25:28
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