年明けて早くも1カ月が経とうとしていますが、各ブランドの2025シーズンの新商品もぼちぼち入荷し始めました。
その中から今回はNEMO(ニーモ)のスリーピングマットの新商品『テンサーエリート』をご紹介いたします。
テンサーシリーズはニーモのスリーピングマットのラインナップの中でエアー式マットのカテゴリー。
ニーモファンだけでなく、登山用のマットと言えばテンサーシリーズというくらい既に定着しているシリーズかと思います。
そんな中、今回新たにラインナップに加わったテンサー『エリート』はシリーズ中最軽量を狙ったポジション。
他のシリーズよりも軽量化を重視した設計ではありながらも、そこはニーモらしく只々軽量一辺倒でなくしっかりとした機能性、そしてこれまで長年に渡ってテンサーシリーズで培ってきた実用性も兼ね備えているのが特徴です。
商品の紹介に先立って、まずはこちらの表をご覧ください。
テンサーシリーズの基本スペックを簡単にまとめてみました。

ご覧の通りテンサーエリートの最大の特長はその圧倒的な軽さになります。
これはテンサーシリーズ内だけでなく、市場のエアマットの中でも目を引くレベルです。
続いてサイズとシェイプについて補足します。
ニーモのマットのサイズ/シェイプバリエーションは下記のようになっています。

テンサーエリートは極限までの軽量化を図るためマミー型のみでの展開。
▲レギュラー
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▲ショート
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ポイントは通常のサイズバリエーションにはないショートサイズ(=160cm)が展開されているという事です。
よって身長的にショートサイズで問題ない方はもっと軽量化できるというわけです。
身長160cm弱の方にとってショートサイズはジャストサイズ!
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上記のスペック比較でもお分かりいただけます通り、テンサーエリートは基本的に3シーズン用。
ですので身長が160cmを上回る方でも、厳冬期以外は別に全身乗っかって無くても問題なく寝れるという方は敢えてのショートサイズ選択で軽量化を図る事も可能でしょう。

*下のオレンジのマットは同じくニーモのスイッチバック(183cm)
ショートサイズで補えない部分はザック等で代用すれば問題ないでしょう。
以上を踏まえて商品の詳細に移りたいと思います。
とにかく軽く、そしてコンパクトな収納状態
まずは収納状態をご覧ください。
レギュラーでもご覧の通り片手サイズ。
250のOD缶と比較してもそのコンパクトさがお分かりいただけると思います。
続いて他のギアとの比較。

左からファイントラックのツェルト2ロング、テンサーエリートレギュラー、テンサーエリートショート、OMMのマウンテンレイド100。
ファストパッカーやOMMレーサーの間ではこういう構成もポピュラーと思いますので、テンサーエリートがいかにコンパクトかがお分かりいただけるのではないでしょうか。
次に重量です。
本体重量はカタログスペックでそれぞれ、
とされていますが、実測値はどうでしょうか。
↓↓↓
▲レギュラー
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▲ショート
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以上のようになりました。
誤差はどうあれ、とにかく軽い!
今度は携行状態です。
他のテンサーシリーズ同様、
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専用スタッフサック
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コンプレッションストラップ
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パッドポンプ
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リペアパッチ
これらが付属品となります。

これら一式で計測してみます。
↓↓↓
▲レギュラー
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▲ショート
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このようになりました。
ミニマム重量に拘らずとも十分軽量です。
専用設計の素材
テンサーエリートが超軽量を実現しているのは生地にも秘密があります。
トップ(背中側)にもボトム側(地面側)にも他のテンサーシリーズよりも薄い10Dのナイロン生地が採用されています。
ちなみに生地が薄くなれば軽くできるのは当たり前ですよね?
しかしながら皆さん心配にされるのは、軽いのはいいけど耐久性はどうなの?という事ではないでしょうか。
そこをニーモはしっかりと対策しています。
他のテンサーシリーズに採用されているのは通常のナイロンですが、テンサーエリートにはコーデュラナイロンが採用されています。
つまりグラム単位での軽量化を図りながら強度も妥協していないという事です。

尚、テンサーエリートに採用されているこの10Dコーデュラナイロン生地はこの対策の為の専用設計。
「1gでも軽く」且つ「優れた強度を保つ」というコンセプトの為に素材から新開発するという力の入れっぷり。
対応シーズン
軽量化の為厚みは他のテンサーシリーズよりもやや控えめな7.6cm、テンサーシリーズの断熱性の要であるサーマルミラー(断熱フィルム)は1枚内蔵。
この構造が生み出すR値2.4(ASTM)は3シーズンでの使用であれば何ら問題ない数値かと思います。
7.6cmは所謂“サイドスリーパー”でも問題の無厚み。
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実用性
バルブは従来のテンサーシリーズと同様のレイローフラットバルブが採用されています。
こちらはニーモオリジナルで、素早くエアの出し入れが可能な大口径のフラットバルブ。
マットに横になったまま指一本で簡単にパッドの固さを微調整可能。使用時にはフラットになるため、就寝時にも邪魔になりにくいバルブです。
尚、こちらもまたテンサーエリート用にカスタマイズされており、柔らかいTPU素材を使用する事で従来モデルよりも低温下の操作性が向上しているそうです。
そしてこちらも他のテンサーシリーズと同様の付属品、ニーモ純正のポンプサック・ボルテックスです。
軽く息を吹き込むだけで周囲の空気を巻き込み、瞬時に膨らむ効率的なポンプサック。
一般的なポンプに比べて、簡単かつ迅速にエアを注入できます。

折りたたみ式の強化封入口は空気をしっかり閉じ込め、無駄なく確実にエアを封入可能です。
またレイローフラットバルブにシームレスに接続できる設計で、正確かつスムーズにマットを膨らませる事ができます。
このボルテックスポンプサックはラミネート加工とエンボス加工を施した生地を使ってありますので、耐久性も安心。
コンパクトに折りたたんでマットと一緒に収納できるため、持ち運びにも便利です。
レギュラーサイズのマットなら、わずか2~3回の操作で1分もかからずにエアを注入できる優れた効率性も特長です。
快適性能
スリーピングマットである以上、快適な眠り心地か否かも見逃せません。
その点、テンサーシリーズのバッフル構造はサポート力も定評があります。
またマットの内部は伸縮性の低い素材を使用したトラス構造ですので、エアマット特有のフワフワしたバネ感もなく、寝返りを繰り返しても安定感があります。 またテンサーエリートに採用されているApexバッフル構造は他のテンサーシリーズと比較してトラスに使用する生地の量を減らすことができるので、軽量化の観点からも合理的です。
軽さと快適さ、どちらも諦めない設計。
ここでもまたニーモの拘りが感じられます。
こちらがApexバッフル構造。
上部のシートは断熱フィルムのサーマルミラー。
サーマルミラーはマットに溶着されているのではなく、吊り下げられている構造。そのため寝返りなどでマットに力が加わっても、カサカサとした不快な音がほとんど発生せず、静かで快適に眠ることができます。
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いかがでしたでしょうか。
テント泊登山やキャンプにおけるスリーピングシステムはシュラフ、マット、状況によってシュラフカバーやインナー、枕やその他寝具で構成されます。
その際テントやシュラフは重視してても、マットにはそこまでこだわってない方も案外いらっしゃいます。
また元来クローズドセルマット派のため、エアーマットに未だ抵抗がある方もまだまだ多いように感じます。
しかしながら快適な眠り心地はシュラフでなくむしろマットが左右するという考え方もあります。
また装備の軽量コンパクト化は誰にとってもメリットになります。
そのため今回ご紹介したテンサーエリートは軽さ、機能、実用度、快適さというスリーピングマットに求められるあらゆる指標を高いレベルで実現した理想のマットの一つではないかと思います。
暖かくなったらテント泊に行く計画をしていらっしゃる方、今年は装備を軽量化してよりレベルアップした山行に挑戦したいという方にぜひご検討いただきたい画期的なスリーピングマットです。
以上、今回はニーモのテンサーエリートの紹介でした。
商品ページはこちらです。
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2025-01-25 18:36:05
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