ALTRA(アルトラ)のトレイルシューズ「LONE PEAK(ローンピーク)」がバージョンアップ、『LONE PEAK 9+(ローンピーク ナイン プラス)』となって新登場です。
ローンピークと言えばアルトラの代名詞的存在―。
“アルトラと言えばローンピーク”“ローンピークでお馴染みのアルトラ”というくらい、トレイルランナーの間ではユーザー/非ユーザーに関わらず認知の高いトレイルシューズです。
またハイカーの間でもアルトラのトレイルシューズ、特にローンピークは年々注目度が高まってきている為、気になっている方も多いのではないでしょうか。
そんなローンピークの今回アップデート、果たしてどのように進化を遂げたのでしょうか。
早速見ていきましょう。
アウトソール

最大のアップデートポイントは、遂にローンピークにも「Vibram MegaGrip(ビブラムメガグリップ)」アウトソールが採用されたという点でしょう。
今回のローンピークのナンバリング“9”の後にある“+”の表記の意味、これがビブラムメガグリップソール搭載ver.という印です。
アルトラの他のトレイルシューズではキング、モンブラン、ティンプ(5以降)、オリンパスシリーズ等で既にメガグリップアウトソールは採用されてきた中、ローンピークとスペリオールだけはアルトラオリジナルの「MaxTrac(マックストラック)」アウトソールが代々採用されてきました。
今回ローンピークにもビブラムメガグリップが採用された背景は恐らくティンプやオリンパスが近年ランナーに限らずハイカーにも高い支持を受けている事から、アルトラの象徴的存在でもあるローンピークこそもっとハイカーに浸透させたいと考えたのではないでしょうか。
市場でも多くのハイキングシューズに採用され既に実績のあるビブラムメガグリップソールをローンピークにも採用する事で、より信頼の高いモデルに押し上げようという狙いなのだと思います。
実際に店頭でもアルトラのトレイルシューズをハイキングに取り入れたいというご相談は多いのですが、厚さはローンピークが好みだけど、ビブラムメガグリップソールのオリンパスの方が安心感があるのでローンピークを断念・・・という方も多い印象です。
またトレイルランニングシューズの観点からも、トレイルレースではやはり雨天時の路面コンディションや岩稜帯セクションなど、多くのシチュエーションで安定したパフォーマンスと耐久性が期待できるのもやはりビブラムメガグリップソールです。
今回のローンピーク9+は多くの人にとって待望のバージョンアップ、満を持してのビブラムメガグリップ装備であると言えます。
またビブラムメガグリップへの変更ばかりに目が行きがちですが、実はラグパターンも8から変更になっています。

特に前足部に配置されている凹型のラグはこれまでの他のトレイルモデルにも見られなかった独特な形状をしており、登りの際にしっかりとかき込み力を発揮してくれそうな印象です。
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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またヒール部にありますローンピークでは伝統の“ベロ”部分、こちらは従来の形状からオリンパスで採用されているセパレート形状に変更になっています。
ビブラムソールにはこの形状の方が相性がいいのかな?
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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以上のように単にマックストラックからビブラムメガグリップへと変わっただけでなく、ラグパターンまでガラリと変わりました。
アウトソール全体が一新、これが新たなローンピーク 9+です。
アッパー

今回9+へのアップデートはアウトソールだけでなく、アッパー各部にも細かい仕様変更が散りばめられています。
順に紹介しましょう。
①メッシュパターン
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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今回もしっかり目の詰まったメッシュですので細かい砂利や埃の侵入は気にしなくてよさそうです。
凹凸の少ない滑らかな表面ですので、引き裂き耐性も高いと思われます。
②両サイドの装飾部分
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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縫い目なく非常に極薄なレイヤーとして本体に対して段差無く貼り付けてあります。
こちらも不意に草木に引っかかったりも無さそうですので、耐久面での向上と捉えていいと思います。
③トゥガード
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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耐久性バッチリの二重構造のしっかりしたトゥガード。
9+では小指側にかけて更に広範囲をカバーするようになっています。
また爪先側のアウトソールも幅広になっていますので、蹴る瞬間でも保護且つグリップが効きそうです。
④シューレースホール
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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9+ではシンプルな構造に戻りました。
シューレースの通し方のバリエーションは8に比べて減ってしまったかもしれませんが、見た目にだいぶスッキリとした印象になりました。
⑤ゲイタートラップフック
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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シューレースホールの変更は特に爪先側がごくノーマルな仕様に戻ったため、ゲイタートラップのフックが復活しています。
⑥シュータン
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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8ではシュータンがアッパー上部からぶら下がっているような構造でしたが、9+は側面から甲周りをオーバーラップする構造になっています。
これはフィット感に大きく影響しそうです。
⑧ヒールカップ
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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ローンピーク7や8にあったヒールカップ下部のサポートパーツは無くなっています。
踵のホールド感の違いで好みが分かれそうです。
好みと言えばこちらの部分も念のために触れておきます。
▲ローピーク 9+
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▲ローンピーク 8
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この上部・アキレス腱周りの構造、形状こそ似ていますが9+の方がクッションがやや薄く、且つ少し硬めに仕上がっています。
縁が角ばってるのが9+、丸っこいのが8と言ったら伝わりやすいでしょうか。
この違いでも足の接触感は変わってくると思いますので、やはりヒールカップの変更は好みや相性が分かれそうです。
こういう差異は案外見落とすと思いますので、実際に足を入れて確認した方が無難と思います。
以上①~⑧の変更に伴い、耐久面や機能面に関しては8から9+で進化したというよりは更に洗練されたという印象です。
そしてフィット感については8と9+で個人差はあるとは思いますが、基本的には向上を図って設計されているように感じました。
9+は足を自然に包み込んでくれるような感覚が更に良好で、足入れ第一印象で感じる気持ちよさ、所謂「ローンピークらしい履き心地」が改めて追及されているように感じました。
優れた素材に最新の構造、そしてそれらを支えるのはもちろんアルトラオリジナルのフットシェイプデザインとゼロドロップクッション。
アルトラシューズの哲学とも言えるコンセプト“ナチュラルさ”と“快適さ”は9世代目のローンピークでもしっかりと健在です。
スペック比較
アウトソールにアッパーと、シューズを構成するほとんどの部分が8から変更になった為、特に重量の変化などを気にされている方も多いと思います。
というわけで図のようにまとめてみました。
(数値はカタログスペックとなります)

説明は省いていましたが、ミッドソール材質、スタックハイトは8から変更がありません。
これを踏まえて恒例の実測値の計量ですが、結果は次のようになりました。
▲ローピーク 9+
M's US10.5
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アルトラシューズの実測値はカタログスペックよりも誤差が大きい傾向にあるのですが、今回はかなり近い数値ですね。
▲ローピーク 9+
M's US8.0
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▲ローンピーク 8
M's US8.0
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一見すると外観がスッキリとした9+の方がむしろ軽そうな印象を受けますが、やはりカタログ通り8から増量になっています。
とは言えこのくらいの差であれば微増レベル、足元では気にならないのではないかと思います。
次は現在のトレイル主要モデルであるティンプ5、オリンパス6とも比較してみましょう。
(こちらも数値はカタログスペックです)
アウトソールが全てビブラムメガグリップで共通にはなりましたが、ラグパーターンはそれぞれで違いますし、ミッドソールやスタックハイトで差別化されている為やはり三者三様の個性と守備範囲があります。
▲左からローピーク 9+、ティンプ 5、オリンパス 6
ローンピークお馴染みの“足あと(フットシェイプ)”デザインは9+でもちゃんと継承されています。
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そして引き続きローンピークはこの三者の中ではナチュラルな履き心地を重視したモデルであると言えます。
比較でもお分かりいただけます通り、ローンピークはクッションも厚過ぎず(かと言って薄すぎず)、形状もベーシックで過度なサポートも無い仕様ですので、裸足感覚がテーマのアルトラシューズの入門には最適のモデル。
“(迷ったら)とりあえずローンピーク”というくらいアルトラのラインナップの中では基本中の基本のモデルです。
その入門モデル・ローンピークが今回ビブラムメガグリップまで備えた事で、アルトラシューズに限らず、ローカットシューズやトレイルランニングシューズでのハイキングが初めての方にも益々安心して選んで頂けるようになりました。
ちなみに比較対象のティンプ5とオリンパス6についても過去記事で詳細を解説していますので、よろしければこちらもご覧ください。
↓↓↓
▲ティンプ 5
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▲オリンパス 6
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バリエーション
流石ブランドの顔ともいえるローンピークだけあり、今回の9+もアルトラとしては多めのカラバリ・6色と気合が入っています。

いずれも特徴的なカラーリングですので、選ぶのに困っちゃいますね。
ちなみにカラーのトピックとしては遂にローンピークにもオールブラック系が登場した事ではないでしょうか。

ローンピークはあくまでトレイル用ですが、その気持ちよさから普段履きにも使いたいというニーズが一定数あります。
そのようなニーズにも対応しやすいブラックの登場ですので、更にファンが増えそうです。
8に引き続き9+でも「WIDE(ワイド)」=幅広モデルが展開されています。
通常版でも狭さを感じる場合、あるいは厚手の靴下を履いて使用したいという方はこちらもご検討ください。
ワイドは男女ともブラック1色のみとなります。
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いかがでしたでしょうか。
アルトラのブランド創設以来、10年以上に渡って支持を集めてきたローンピーク。
これまでもバージョンアップの際にはいつも注目を集め、毎回着実にファンを増やしてきています。
そして今回もまた期待通りの大きなインパクトをアルトラファンに届けてくれることになりました。
アルトラシューズの新作はどれもトレイルで試すのが待ち遠しく、歩くこと走ることへの欲求を高めてくれる存在です。
今回のローンピーク9+もまた私たちをワクワクさせてくれてますので、雪解け後の山で使うのがとても楽しみですね。
以上、今回はアルトラのローンピーク9+の紹介でした。
商品ページはこちらです。
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2025-02-08 10:18:49
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